大田区HPにみる地方自治と行政のコマーシャリズム化

区長の顔写真がホームページのトップや区報、ケーブルテレビに頻繁に登場するようになったのはいつごろからだろう。
たぶん、地方分権一括法以降のことだろう。税金で名前と顔を宣伝できる現職の首長は選挙も強い。

一方で、情報を出す出さないも自分で決められるのが行政だ。HPや区報の在り方によっては、区民の理解を一定方向に誘導することも可能だということ。政策の課題や失敗など自己に不都合な情報もきちんと公開されているんだろうか。

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最近新しくなった大田区のHP。トップページを見ていて、行政のコマーシャリズム化もここまで来ているのかとショックを受けた。

以下が大田区のHP、トップページ。
https://www.city.ota.tokyo.jp/
気になる所をあげればキリがないが、
今回の変更で一番ショックだったのは、例規集がトップページを開いただけではわからず、「便利情報」をクリックして初めて出てくることだ。

大田区HPトップページ
クリックすると拡大

大田区HPトップページ
便利情報をクリックすると出てくる例規集・要綱集

法治国家における自治体の基盤と言っていい条例や規則をトップページに置かなくなったというのは、法令を軽視している表れでないかと心配だ。

しかも、今に始まったことではないが、区長の顔写真入りの「こんにちは区長です」はHP左上の目立つところに配置しながら、二元代表制の住民の代表である区議会はずーっと下。アイコンも何を表しているのかちょっと見ただけではわからない。
これで二元代表制を標榜できるのだろうか。地方自治がわからないのか、議会を軽視しているのか。

たとえばお隣の世田谷区は区長の下に区議会のリンクがあり、条例はちょっと目立たないのが気になるが、それでもトップページに置かれている。

大田区HPトップページ


世田谷区HPトップページ