便利や快適は、喜ばしいことですが、タダではありません。思った以上に高くついたりします。

ところが、大田区はじめ行政や政治は、事業の是非を問うたり、希望を聴取する際に、いくらかかるか言わず「欲しい」という声だけを拾い上げようとします。

住民ニーズにこたえるというのが、一見良さそうで、消費者主義的な部分があり民主主義とはちょっと違うと感じるのが、こういう時です。

今日は、最近報告された、便利や快適で、気になる大田区の財政への影響についてお話しします。

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一つが、「池上図書館移転」

池上駅から徒歩4分の現在の池上図書館を廃止して、駅上に鉄道事業者が作るビルの中に移転させるという計画です。
大田区は、現在の池上図書館は昭和初期に作られていて老朽化しているので、壊して、駅ビルに移転させるといいます。

確かに、古い図書館がきれいになって、駅の真上で便利になりますが、手放しでは喜べません。

現在の池上図書館は、借りるより買うほうが安いから、と平成19年3月に9億1650万円でNTTから購入しているのです。
今度は、これを、「高くつく」賃貸に戻そうというのが、今回の移転です。

しかも、現時点では、大田区がいくら賃料を負担するのかも報告されていません。
駅の真上の新築1,000平米ですから、坪1万円で見込んでも月300万円、年間およそ4,000万円です。

自治体で土地や建物を所有していれば、固定資産税はかかりませんし、いわゆる企業の利益も負担せずにすみます。民間の床を借りることは、こうした区民の財産で運営していれば不要だったコストも負担するということです。

駅から4分という「不便」のために支払う床面積約1000平米の賃料は、大田区民が負担すべき必要な経費でしょうか。

もう一つが、多摩川駅前「せせらぎ公園」の新たな文化・スポーツ施設の整備です。

せせらぎ公園だった場所が、その昔、遊園地だったのを体験として覚えているのは、私から上の世代だけかもしれません。その後、テニスコートになり、使われなくなってから大田区が公園として取得しました。

大田区は、公園に文化施設とスポーツ施設を建設する計画で、先日、第一回の説明会がありました。

隈研吾事務所が設計を請け負うことに決まっていて、事務所の方が、立派なプレゼン資料で画像とともに説明していましたが、

質問は、
■この建設にはいくらかかるのか
■計画の具体的な中身についての要望
にわかれたように思います。

そうなのです。
大田区は、公園に文化施設とスポーツ施設を作るにも関わらず、区民からの「事業規模がいくらくらいか」という質問に答えることができなかったのです。

古かった大田区の公園施設が、便利で快適になることは、好ましいことかもしれませんが、タダではありません。

特に公園関係の整備には、国の補助金もかかわってきます。

オシャレな公園のクラブハウスが、めぐりめぐって、消費税増税の一因になることも、無いとは言えないのです。

いくらかかるか、わからないまま、せせらぎ公園整備を進めて大丈夫でしょうか。