控除対象配偶者の定義変更が行われたため、条例の規定を整理する条例改正が行われました。
議案に賛成するとともに、以下のような意見を述べました。

配偶者控除は、働く女性と働いていない女性との公平感を保つために課題があると指摘されてきましたが、同じように課税し、社会保険を負担するだけでは、女性も男性も働く社会モデルとしてふさわしいとは言えません。

定義が変わったことで、控除の上限が引き上げられ、主に配偶者である女性が働く動機づけになる政策のように見えますが、国の制度改正に伴う文書を読み込むと、必ずしもたくさん働いても保険料負担は増えず有利、にはない心配が見えてきました。
結果として企業負担を減らし、企業利益=株主配当を増やすために制度改正しているように見えるのです。

より長時間働くけれど、総世帯所得でみればそれほど増えない方向へ国が誘導しているのです。
そもそも、結婚して、男性が働き女性が家庭という平均的世帯モデルから、男も女も働く社会に移行してきた中で年金や医療など社会保障制度も改正すべきでしたが、行われていません。社会保障の責任主体としての大田区の責任はますます大きくなっていきます。

 

第76号議案 大田区特別区税条例の一部を改正する条例に賛成の立場から討論いたします。
この議案は、地方税法の改正に伴い、控除対象配偶者の定義変更により規制を整理するなどのための条例改正です。

【こう変わる配偶者控除・配偶者特別控除】

改正により、
①控除対象配偶者が、
現在  38万円超~76万円未満
改正後 38万円超~123万円以下  にかわるとともに
②給与所得者の郷英諸島金額が1000万円を超える場合には、配偶者控除の適用を受けることができなくなります。

【大田区税収への影響額はゼロ、制度改正に伴う施策への影響も無いよう条例改正】
大田区は、この法改正により控除対象配偶者の定義が変わったことで、区民のへの手当支給に影響が出ないよう、心身障害者福祉手当条例や、児童育成手当条例の一部を改正しています。
また、今回の税制改正による大田区の個人住民税への影響額は、試算で約2億3000万円とみこんでいますが、最終的に31年以降の個人住民税の減収額は、全額国費で補填されることになっていて、実質的な大田区への影響額はありません。

【なんのための法改正か・最終的な区民生活への影響をどうみるか】

となると、国のこの制度改正が何のためなのか、区民生活へどう影響するのか議会は注視すべきです。
国は、一億総活躍社会、すべての女性が輝く社会、など、女性の活躍を進めようとしています。

【国が推進する女性活躍とは】

 ≪①女性を資本主義経済システムの下で働かせる≫

それではどのように、女性活躍を促進させようとしているのかといえば「女性活躍加速のための重点方針 2017」には、労働市場・資本市場における活用を促進させることが重要となる、とあるように、女性が資本主義経済システムのもとで働くことを促しています。

≪②女性がもっと働くよう、社会保障を変える≫

女性がもっと働くように、保険を見直し、年金の支給開始年限を早め、公務員の配偶者に係る扶養手当を見直し、民間企業の扶養手当の在り方の検討を促す といったことが行われていて『平成 29 年度税制改正における配偶者控除等の見直しについて、平成 30 年分の所得税からの適用に向け、必要な準備を進めていく。』と記されているとおり、今後も制度改正と区民生活への影響は続きます。
特に、国は、税制や社会保障制度の動きを踏まえて、民間企業の扶養手当について、扶養手当の在り方の検討を促す としています
国は、
・配偶者の非課税金額を引き上げ、
・短時間の労働でも健康保険や年金などに加入でき、
・年金は資格期間が25年から10年に引き下げられる
≪③働くよう誘導して、扶養手当は減らす≫
など、女性が働くよう誘導していて、これを踏まえて民間企業に扶養手当の在り方を検討させるとなれば、女性が働いたら扶養手当は減らしたらどうですか、となるであろうことは容易に想像できます。

≪④扶養手当を受けている女性を働かせ、企業の扶養手当負担を減らす=コスト削減、と増える企業利益=株主配当≫
これは、一見当然のことのように受け止めますが、私たちは、この間の扶養控除見直しなどの改正により、企業負担が一貫して減り続けるとともに、区民負担が大きくなっていることに注目すべきです。結果、配当など企業利益が増えるのです。

【女性活躍の区民生活への影響を注視し、真に豊かな暮らしのため大田区は責務を果たすべき】
「女性活躍」とうたわれている制度改正が、単に扶養家族手当など企業負担の減に伴う企業利益の増加にならないよう、個々人の健康で文化的な生活確保のための女性活躍になることこそが重要です。
大田区におかれましては、今後の税制改正と企業の扶養手当などの動向を注意深く見極め、制度の変化により、今回の条例改正同様、区民への負担増にならないよう、女性はじめとした控除対象配偶者の見直しにより働くことに誘導されたとしても、単に経済面だけでない豊かな暮らしを得られるよう、子育て施策や雇用施策などで対応することこそが大田区の責務であることを主張し、賛成といたします。