大田区議会、今年もやっぱりヨーロッパに『海外視察?』

昨年、大田区議会の海外視察がマスコミに取り上げられ、海外旅行と批判を受けましたが、今年も自民党提案のヨーロッパに行くという。視察目的はまだ決まっておらず、これから考えるようです。


私は、何が何でも海外視察反対、というわけではありません。

ただ、施設使用料も値上げ、保育料も値上げ、国民健康保険料も介護保険料も引き上げられるばかりで、区民のみなさまにご負担いただいている状況で、本当に大田区民のためになる視察なのか、という問題意識をもっています。

行くのはいつもヨーロッパ。
行先もいつも複数の都市。
視察課題は、視察メンバーが確定してから、そのメンバーが行きたい、見たいところで決まります。

私は、今年、大田区議会の海外視察の希望課題についての調査があったので、

二国間自由貿易協定をすでに締結していて、特区制度も導入している韓国に行って、その効果や影響についていくつかの具体的な事例を視察できるなら参加する。とこたえました。

韓国なら、費用もそれほどかからず、日程も短くて済むというのも提案理由の一つです。知人に調べてもらったら、視察先にお支払するなどの費用は別にして、飛行機とホテルで多くても6万円くらい。ほか、食費などの実費だけと聞いています。

羽田の飛行ルート変更も二国間貿易協定が根底にあり、自由貿易協定下で苦しむ韓国の問題は日本と無関係ではありませんし、加計学園問題で大きくクローズアップされた「国家戦略特区」ですが、大田区が国家戦略特区に指定されていて、すでに導入されている韓国の事例は、今、見る必要があり、効果が期待されると考えたからです。

規制緩和で公共サービスが民営化されているのは、韓国(ソウル市)も同様ですが、民営化を直営に戻すことで、現場労働者の賃金を引き上げるとともに、自治体負担を減らしている事例など、民営化の反省から、改善策を取り始めている韓国の事例には、私たちの暮らしを改善するヒントが見つかるかもしれません。
新しい大統領もソウル市の政策に影響を受けていると言われており、そのあたりも見てきたいと思いました。

また、韓国は、空港近くにカジノを置いたり医療特区を設置するなど、特区による経済政策を進めています。

大田区も「国家戦略特区」で、空港周辺は医療特区に指定されていますし、跡地開発は国家戦略特区の大臣・大田区長・事業者で決め進んでいます。

韓国の特区政策の仕組みや影響、評価について検証することで、大田区の今後について考えたいと思いました。

ところが、希望だけは出させたものの、その内容について、説明を求められることもなく、「自民党のヨーロッパに行くという案で決めた」という議会運営委員会の報告がおかれていただけでした。

自民党は、現状の大田区政に、どのような問題意識を持ち、それをどう改善させるため、ヨーロッパに行くのでしょうか。

私は、そうしたことも含め文書で、概要を提出したので、各提案について説明の場を設け議論されるとばかり思っていましたが、まったく無視されたかたちで、本当に残念です。