山王小学校に隣接するホテル営業計画についての教育委員会請願審査

山王小学校と地域の環境を守る会(以降「守る会」と呼ぶ)が、教育委員会に提出した請願についての審査が行われました。

教育委員会が、教育環境への著しい影響を認めれば、ホテル営業許可はおろせません。そうした中での審査でした。

どの委員も、学校とホテルが隣接していることや、隣接していることからホテルから学校をのぞき見される、利用者が学校児童と不適切な接触、撮影されることによる肖像権の侵害、教育の委縮、など、清純な教育環境への影響を認める意見が出されたそうです。

教育委員会臨時会では結論を出さず、意見を取りまとめ、後日、保健所に出すことになりました。

すでに、事業者は、目隠しをつけたり、曇りガラスにかえたりしています。
それだけでは、こどもたちの教育環境は守れない、という危機感から出された請願です。

目隠しや曇りガラスでは、ホテルから教育活動中、登下校中の学校内外の子どもたちを覗き見たり、盗撮したりすることを防ぐことはできませんし、
不特定多数の宿泊者が、施設内外でこどもたちと接触することも防ぐこともできません。

教育委員会臨時会で、目隠しや曇りガラスだけでは、守ることのできない安全や安心への懸念材料がある、と、どの教育委員も発言していたことを考えれば、教育委員会としてホテル業を認める余地を残した意見を出すことは、難しいのではないかと感じました。

仮にホテル業許可の余地を残す意見を教育委員会として出せば、ホテル営業に関わり、心配が現実になった時、教育委員会としての責任も問われるのではないかと思いました。

以下、教育委員会を傍聴なさった方たちの報告から
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山王小同窓会やPTA有志代表、近隣住民名で
「教育委員会を開いてこの問題を討議して欲しい」と云う
請願書を大田区教育委員会に提出していましたが、これを受けて本日
教育委員会臨時会が開催され、

6名の教育委員全員が、
小学校の隣にフロントのないホテルが営業すれば
清純な環境が害される恐れがあるとして
大田区に意見書を提出すると云うことで一致しました。

蒲田のニッセイアロマスクエア5階にある
大田区教育委員会会議室には
会議の傍聴を希望する「守る会」のメンバーや地域住民など
40名近くが集まりました。

会議室が狭く16名しか傍聴できないため
守る会では、もっと広い会議室を準備して欲しいと
教育委員会に再三にわたってお願いしてきましたが
聞き入れられず、今日の傍聴はくじ引きとなり
当たりくじを引いた16名が傍聴しました。

午後2時から開かれたこの臨時会には
小黒仁史教育長、
元山王小の校長で教育長代理、三留利夫さん、
弁護士 深澤佳己さん、
田園調布小の元PTA会長北内英章さん、
など5名の教育委員が出席して開かれました。
(廣瀬さんは欠席でしたが意見書を提出していました)

始めに事務方から、この問題の概要が説明され
そのあと各委員が意見を述べました。

三留さんは、
旅館業法にある小学校の100メートル以内で営業できるということと
小学校とホテルの距離が、隣接、つまりその距離が
零メートル、と云うのは全く別の次元で話されるべき話で、
ホテル利用者による児童の撮影、利用者と児童の不適切な接触
児童の安全名通行の問題などを指摘しました。

深澤さんは、学校に大きな影響が出る、
これまでの環境と全く異なる環境になり
不特定の宿泊者から、緑陰子ども会や、運動会、夏の相撲大会などの
撮影が行われれば肖像権の侵害問題も起こり、また教育が
萎縮する恐れが出る。そして清純な環境が
害される恐れがあると指摘しました。

小黒教育長は安全安心が最も大切であり、
このホテルがそれを害する恐れがある。
フロントもないので子どもが連れ込まれることも考えられ
フロントをおくなどの改善が必要だと指摘し
今日の臨時会で出た意見をもう一度各委員に確認した上で
教育委員会としての意見書を大田区に提出すると
述べました。

その他の委員からも基本的に
ホテルの営業は問題が多いという指摘が出たとそうです。

臨時会は20分程度でおわりました。