【2月25日質問(その5)】飲食店の自粛と支援策の不備で、流通が変わり日本の食が変わる心配
コロナの緊急事態延長で心配なのが、飲食店の時短で打撃を受けている卸売業です。
新鮮でおいしい全国の食材を私たちが安く手に入れられるのは、市場と仲卸しに支えられている流通システムがあるからなのですが、市場に全国から集まった食材を飲食店や小売りにつなぐ「仲卸し」は、協力金の対象になっていないため、大きな打撃を受けています。
協力金でなんとかしている飲食店も、仲卸から仕入れられなくなれば、同じメニューを同じ値段で提供できなくなるかもしれません。
しかも、大田区には、大田市場がありますが、付加価値額に占める卸売り小売業は、平成19年の調査ではありますが。全産業中第1位で、モノづくりのまち大田区と言われていますが、製造業は3番目でそれ以上に大きな経済規模をしめています。
売り上げや企業規模に応じて支援しているドイツに比べ、日本の支援策は、中小企業に優しくない支援策です。
コロナで自粛、時短での影響は、区民生活にも、大田区財政にも少しずつ影響が出てきています。
🔴卸売り小売業に依存する大田区経済が仲卸を直撃
19年の調査の大田区内付加価値額を産業別にみると、もっとも付加価値を生み出していた産業は、卸売り・小売り業で7363億円、全産業の22.6%。次いでサービス業、19.3%。町工場のまち大田区の製造業は3番目、5582億円、17.2%です。
大田区は大田市場がありますから、飲食店の時短に伴う卸売り縮小が区内経済におっよぼす影響は見過ごせません。
🔴流通がささえる日本の食文化
仮に飲食店が協力金で支えられてこの数か月をしのげたとしても、仲卸やおさめ屋さんの経営が悪化して、食材を調達できなくなれば、再開しても、同じ価格、同じメニューでは、やって行けなくなるかもしれません。市場や仲卸、おさめ屋さんなどが作る日本の流通の仕組みが、新鮮でおいしく、その割に安価、適正な価格で食材を調達できていることで、寿司や居酒屋さんやかっぽうなど、世界遺産にもなった日本の食文化を支えているのです。
国は、飲食店以外の中小事業者へ最大60万円の一時金を決めましたが、赤字の規模と比較すれば、スズメの涙です。東京都の施設ですが、光熱水費の支払い猶予だけ、家賃免除位すべきではないでしょうか。