中堅所得者層向け区民住宅、周辺相場より高い家賃収入を確保するため税負担を続けているので、廃止もやむを得ないと判断しました

13分44秒くらいから

区民住宅廃止議案討論

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バブル期の遺産とも言える借り上げ型区民住宅。当初設定した家賃が近隣家賃より高くなったにもかかわらず、オーナーとの間で設定した金額を下げることができず、差額を大田区が長期間負担し続けてきました。今回、当初設定した期間20年を過ぎたため、廃止することになりました。同じ税投入うするのであれば、低所得者向け住宅の確保など、住宅困窮者への支援に使うべきと考えています。

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大田区民住宅条例の一部を改正する条例について賛成の立場から討論します。

この議案は、区民住宅の中でも土地と建物は民間所有の借り上げ型区民住宅を廃止するための議案です。

区営住宅が低所得者向け住宅であるのに対し、区民住宅は、バブル崩壊後にできた「建設型区民住宅 特定優良賃貸住宅の供給の促進に関する法律」に基づき「大田区民住宅条例」によって運営されている、中堅ファミリー世帯(区営住宅より高い所得者層)のための優良な賃貸住宅です。

区民住宅は、民間オーナーの場合、大田区が建設費補助を行い、民間が賃貸住宅を建設し、その賃貸住宅について20年間区民住宅として使うという協定を提携しています。住宅の家賃は、入居しているいないにかかわらず、その9割以上を大田区が保証するというしくみです。そのため、建設時の協定書には周辺相場とのかい離が生じた場合協議を行うとされていますが、周辺家賃が下がっても、それに伴い家賃の改定をしにくいだけでなく、家賃を改定した場合には、その差額を大田区が負担する形になっています。

こうした状況もあり、20年の協定期間終結をもって協定の更新は行わないことになっており、今回の廃止は妥当と考えます。

一方、今回、区民住宅の中でも借り上げ型を廃止しますが、直営の区民住宅は残るため、区民住宅事業は存続します。

大田区の住宅政策における、低所得者層の住宅ニーズが根強く残っている中、大田区が住宅施策に責任を持ち続けることは極めて重要であると考えます。残る区民住宅ンついては、多世代同居を可能にするなど、住民の状況を踏まえた運用も視野に入れることを要望し、賛成といたします。