やるべきことをやらず、やってはいけないこともできるコロナ構造改革:医療編、 放置する課題、急伸する新自由主義 (2025問題もコロナで不問?)

コロナに乗じて、社会を大きく変えようとしている力が働いていなあ、と感じていましたが、ここにきて思うのは、
●取り組まなければならない課題も、
●やってはいけないこことも、
コロナが理由だと、不問にできる、「効果がある」ということです。

私は、医者ではありませんから、医学的にコロナを論じることはできませんが、政治・政策に携わっているので、そこから、何が起きているのか、ズッと見つめ、考えています。

ダイアモンドプリンセス号の前に、特定感染症に指定されていましたことも、これまでに無い「迅速な」対応だと感じていました。

早い段階(2020年5月?6月)ころから、
アフターコロナ、ウイズコロナ、とコロナで社会を変える、その社会は元に戻らない、戻さない、という意図を感じました。

結果として、何が起きているかと言えば、やりたかったことをやり、やりたくないことをやらない、これをコロナで正当化できている、ということなのです。

 
医療の現場では、コロナの患者の
入院が「コロナの急激な感染拡大で」受けられない
といった文脈で報道されています。
 
医療崩壊、といった衝撃的なことばも早い段階から
使われるようになっています。
 
そうすると、コロナがこれだけ流行っているのだから
入院はできないのだ。
自宅隔離で、保健所などから連絡してもらうことで
仕方ない、と受け入れてしまわないでしょうか。
 
ところが、政策的にみると、今は、ちょうど、
団塊の世代
第二次世界大戦直後の1947年(昭和22年)〜1949年(昭和24年)生まれ 
が、後期高齢者に入ってくる時期なのです。
 
後期高齢者というのは、医療も介護も必要に
なる方が増える世代と言われています。
 
正確に言うと、来年2012年に1947年生まれの方たちが75歳を
迎えます。
 
 
この人口ピラミッドだとわかりやすいと思うのですが、
それ以前の世代と比べ、この団塊の世代を5歳ごと
でみると、

2020年12月時点で

【75~79歳】314.2+389.3=703.5万人
【70~74歳】440.2+492.5=932.7万人
実に、930万人、5年ごとの塊でいう、
前の世代と比べ約230万人も多い方たちが、今後数年間の短期間に
後期高齢者という、医療や介護を必要とする世代に
入っていくわけです。
 
 
 
医療、介護の現場での人材の不足が
言われてきましたが、準備はできているのでしょうか。
 
いま、コロナで自宅療養と言っていますが、
コロナで劇的に増えた患者の入院受け入れだけの
問題でしょうか。
 
超高齢社会を目前に、その準備できていない分まで
コロナのせいにされているように思います。
 
もっと言えば、そもそも劇的に減らそうとしている
ベッド数をコロナで医療崩壊している、と見せることで
やむを得ないと国民に印象付けているようにも
感じます。
 
 
 
古い厚生労働省の資料ですが、2004年と2025年の
団塊世代がすべて後期高齢者になった時点での人口を
比べると、大幅に増えることがわかります。
 
当然、ベッド数を増やさなければなりませんが、
国は、逆に大幅なベッド数削減をしています。
 
コロナ以前に、医療崩壊は、医療費削減の視点から行われてきた
と見るべきではないでしょうか。
 
 
繰り返しますが、そもそも劇的に減らそうとしている
ベッド数をコロナで医療崩壊している、と見せることで
やむを得ないと国民に印象付けている
 
のではないでしょうか。
 
マスコミが、発熱だけでなく、味覚、臭覚の異常、
、、、ほか多くの体調不良や病状について
コロナだと報道しています。
 
上記の症状の方たちは、
コロナの流行で患者が急激に増えて
ベッドが足りないから、というのが許されて
入院できず、自宅に隔離されてしまう。
 
コロナ以前であれば、入院していたであろうかたが
コロナという病名がついただけで、
自宅待機になる。
 
そして、保健所などが電話等で急変しないか確認し
必要だと往診で対応というようなことが行われています。
 
高齢化社会において、コロナでなくても、入院が必要な
患者は増えているはずです。
特に今後、数年で団塊の世代が後期高齢者になれば
急激にそのニーズが増えるでしょう。
 
でも、それらの方たちの
医療ニーズを、準備するどころか
削減してきているのが今の日本の医療行政などです。
 
そもそもの医療資源の不足もコロナを理由にしているので、
見えないし、見せない。
結果、
超高齢社会の医療資源不足を、コロナで不問に
している、ように見えてしまいます。