無利子融資、なのに大田区も東京都もすぐに答えられない【延滞利息】の問題と心配

大田区のコロナ対策の目玉は、無利子融資でした。

でした、と過去形にしているのは、「ワクチン接種で、景気が回復すると見込んでいる」ことを理由に、今年9月の新たな貸し付けから、大田区が全額の利子補給をやめたからです。

「ワクチン接種で、景気が回復すると見込んでいる」から利子補給をやめながら、融資総額は逆に増えると見込んでいます。

必要な融資額が増えると見込みながら、全額利子補給をやめて、一部に変更しているのも問題ですが、延滞利息について聞いたところ、東京都も大田区も答えられませんでした。


松原仁衆議院議員から、東京都を招いたコロナ経済対策の勉強会のご案内をいただき、参加しました。

ご説明いただいたコロナ対策の中に、無利子融資があったので、延滞利息について伺うと、その場でお答えいただくことができず、松原議員を通じて後日お答えいただくことになりました。

そこで、大田区の産業経済部に大田区の無利子融資、あるいは、利子の一部補給貸し付けの延滞利息についてうかがいましたが、ここでも、後日お答えいただくことになりました。

勉強会開催に際し、松原仁衆議院議員が、コロナの不況を「官製不況」と呼ばれていましたが、まさにその通りだと思います。

大田区では、その官製不況のコロナ対策の目玉が、全額利子補給のこの無利子融資ですが、返せなかった場合の延滞利息について、答えることができないというのはどういうことなのでしょうか。

無利子で貸し付け、返済が始まれば、コロナ以前の売り上げに加え、借入金の返済分、売り上げの上乗せが必要です。

三密を避け、人流を抑制せよ、という感染防止策は今も続き、今後解消される見込みもありません。そのうえ、テレワークも推進していますから、仕事場周辺で外食する方も減るでしょう。

そのうえ、お酒類の販売も自粛となれば、返済のための売り上げ確保は簡単ではありません。

ところが、「全額利子補給」を自慢した大田区ですが、延滞利息の考え方すら説明することができません。

個々の事業者の信用状況を金融機関が判断して延滞利息を設定しているのかもしれませんが、そうなると、必ずしもこの融資が有利な融資だったのか疑問です。

長引くコロナ感染防止対策という三密や人流の抑制や酒類の販売自粛で、売り上げ増どころか、売り上げの回復すら見込めませんが、これも、コロナだから仕方が無いで済ませるのでしょうか。

結果、資本力の大きな事業者が生き残るように見えますが、東京都は、ご丁寧にも、第三者への事業承継への支援策まで用意しています。

これでは、コロナと融資で優良事業者を大資本の傘下に誘導したようなものでは無いでしょうか。

最近、戦後の日本の農業政策についての本を読んだのですが、構造改革という名のもと、補助金とセットで農家に設備投資させ、農家が莫大な借金を抱えた話がでてきます。

国策に、多くの農家が、ためらいながらも選択させられ、その結果、農業から離れてしまった人も少なくなかったと記されています。

今回の、コロナ対策の融資とどこか重なる部分を感じています。

東京都と大田区の延滞利息についての考え方の返答がきたら、またご報告します。