PARC自由学校2017の講座をおすすめします「世界を動かしているのは誰?ーグローバル企業研究入門」

アジア太平洋資料センターPARCの自由学校で「世界を動かしているのは誰?ーグローバル企業研究入門」という講座が6月13日から始まります。
全10回で、私は第8回の講師を務めさせていただくのですが、どれもいま動いていて気になることばかりです。


世界を動かしているのは誰?―グローバル企業研究入門

https://ssl.parc-jp.org/e/html/products/detail.php?product_id=45

 

<6/13>【オリエンテーション】 国家を飲み込む多国籍企業の現在 ータックス・ヘイブンの実態

上村雄彦(横浜市立大学学術院国際総合科学群 教授)

巨大化する多国籍企業の陰には、タックス・ヘイブンがあります。本講義では、タックス・ヘイブンの実態と弊害を吟味し、その解決策としてグローバル・タックスを考察します。

◎主著:『不平等をめぐる戦争─グローバル税制は可能か』集英社新書 2016/『世界の富を再分配する30の方法─グローバル・タックスが世界を変える』(編著)合同出版 2016 ◎参考文献:上村雄彦『グローバル・タックスの可能性─持続可能な福祉社会のガヴァナンスをめざして』ミネルヴァ書房 2009/志賀櫻『タックス・ヘイブン─逃げていく税金』岩波新書 2013

01. 世界を動かしているのは誰?―グローバル企業研究入門

<6/27 19:00-21:30>【医薬品】ファイザー等大企業と医薬品特許権 映 画『薬は誰のものか―エイズ治療薬と大企業の特許権』を観る 

稲場雅紀(特定非営利活動法人 アフリカ日本協議会 国際保健部門ディレクター)

エイズ治療にアクセスできず、命を奪われたアフリカの多くの人びと。その理由は「知的財産権」にありました。形を変えて今もつづくこの問題に迫ります。

◎主著:『流儀─アフリカと世界に向かい我が邦の来し方を振り返り今後を考える二つの対話』(共著)生活書院 2008/『対テロ戦争と現代世界』(共著)御茶の水書房 2006 ◎参考文献:林達雄『エイズとの闘い─世界を変えた人々の声』岩波ブックレット 2005/上山明博『プロパテント・ウォーズ─国際特許戦争の舞台裏』文春新書 2000

01. 世界を動かしているのは誰?―グローバル企業研究入門

<7/13 (木)>【種子】私たちの食料主権と種子の自由

西川芳昭(龍谷大学経済学部 教授/大学院経済学研究科長)

マーケットには、多種多様な野菜や果物、加工品が並んでおり、技術革新と市場のグローバル化によって味・収量・栄養の優れた食べ物を簡単に入手できます。しかしながら、食べ物の源である種子について思いを馳せたことがあるでしょうか? ひととき、タネの神秘と危機について考えてみましょう。

◎主著:『生物多様性を育む食と農─住民主体の種子管理を支える知恵と仕組み』コモンズ 2012/『奪われる種子・守られる種子─食料・農業を支える生物多様性の未来』創成社 2010 ◎参考文献:藤原辰史『稲の大東亜共栄圏─帝国日本の「緑の革命」』吉川弘文館 2012/「タネ─いのちの旅」『エプタ』79号

01. 世界を動かしているのは誰?―グローバル企業研究入門

<7/25>【水道】日本も水道民営化時代に突入 ―世界と日本の水道に起こっていること

橋本淳司(水ジャーナリスト/アクアスフィア水教育研究所 所長)

施設老朽化、人口減少等から水道経営は破綻寸前、経営形態は公から民の流れにあります。世界各地の水事情を取材してきた経験から日本の水道の今後を考えます。

◎主著:『100年後の水を守る〜水ジャーナリストの20年』文研出版 2015/『いちばんわかる企業の水リスク―地球の水が足りない、Tシャツ1枚に2900?の水がつかわれている』誠文堂新光社 2014 ◎参考文献:橋本淳司『67億人の水─「争奪」から「持続可能」へ』日本経済新聞出版社 2010/橋本淳司『世界が水を奪い合う日・日本が水を奪われる日』PHP研究所 2009

01. 世界を動かしているのは誰?―グローバル企業研究入門

<9/5>【金融】いったい誰が儲かっているの? ―イチからわかる世界のお金のしくみ

相沢幸悦(埼玉学園大学経済経営学部 教授)

世界は預金に利子がつかない超低金利政策。マイナス金利政策までも。預金者は利子がなく、国や企業は金を借りても利子を払わない。相場師は投機でボロ儲け。おかしなことです。

◎主著:『日本銀行の敗北』日本経済評論社 2016/『アベノミクスの正体』日本経済評論社 2017(刊行予定)

01. 世界を動かしているのは誰?―グローバル企業研究入門

<9/19>【インターネット・SNS】巨大インターネット企業 Google/Facebook/Twitterとどう向き合うか

八田真行(駿河台大学 専任講師)

ネットは多くが無料ですが、常に代価はあるものです。この場合、売られているのは「皆さん自身」です。本講義では、企業に個人情報を握られる危険と、自衛術をお話しします。

◎主著:『日本人が知らないウィキリークス』(共著)洋泉社新書y 2011◎参考文献:ブルース・シュナイアー『超監視社会─私たちのデータはどこまで見られているのか?』草思社 2016

01. 世界を動かしているのは誰?―グローバル企業研究入門

<10/3>【電通】第5の権力 ―政治・社会・メディアを動かす巨大広告代理店

本間 龍(作家)

昨年、過労死問題でブラック企業の烙印を押された「電通」とは、一体何をしている企業なのか。あらゆるメディアを圧倒する「第5の権力」のしくみと危険性を詳細に解説します。

◎主著:『電通と原発報道─巨大広告主と大手広告代理店によるメディア支配の仕組み』亜紀書房 2012/『原発プロパガンダ』岩波新書 2016

01. 世界を動かしているのは誰?―グローバル企業研究入門

<10/17>【Airbnb エアビーアンドビー】旅館業法を規制緩和した民泊 ―もうひとつの目的と大田区民への影響

奈須りえ(大田区議会 議員)

推理小説で探偵が最後になぞ解きをするように、この間行なわれてきた行政改革や規制緩和と私たちの関係を明らかにします。なぞ解きのコツがわかればあなたも政策通になれます。

◎主著:『徹底解剖 国家戦略特区─私たちの暮らしはどうなる?』(共著)コモンズ 2014/『やっぱりあきらめられない民主主義』(共著)水声社 2016

01. 世界を動かしているのは誰?―グローバル企業研究入門

<10/31>【コンビニ】 PARC作品『コンビニのひみつ』(仮)を観る

●フランチャイズ・システムの利益はどこから? 


中野和子(第二東京弁護士会 日本弁護士連合会 消費者問題対策委員会委員/セブンイレブン独禁法違反損害賠償請求弁護団 団長)

店舗数1万9000店を超えるあるコンビニは、毎日120億円超の現金が本部に。昨年度売上高も4兆円以上、経常利益2567億円、純資産1兆3257億円はなぜ貯まる?

◎主著:日本弁護士連合会消費者問題対策委員会(編)『フランチャイズ事件処理の手引き』民事法研究会 2012 ◎参考文献:本間重紀(編)『コンビニの光と影』花伝社 1999/中村昌典『失敗しないフランチャイズ加盟─判例から読み解く契約時のポイント』日本加除出版 2011

●コンビニ食は地球と  身体にやさしくない?


近藤惠津子(NPO法人コミュニティスクール・まちデザイン 理事長)

「いつでもどこでも食べられる」ことが、便利どころか当たり前になっていますが、実は地球にも身体にもやさしくない、食のあり方なのでは? 皆さんどう思われますか?

◎主著:『わたしと地球がつながる食農共育』コモンズ 2006/『食材選びからわかるおうちごはん』コモンズ 2013

<11/14>超国家企業の暴走を止めるには? ―消費者・市民としてできること

内田聖子(PARC共同代表)

国家を動かし、飲み込むほどの力を持つ超巨大企業の実態を見てきた本講座の最終回。「では、どうすればいいの?」と感じている人も多いでしょう。消費者として、市民として、どうすれば大企業の行動を「真っ当なもの」に変えていけるのか、国際的な規制の方法から身近でできることまで考えましょう。
◎主著:『自由貿易は私たちを幸せにするのか?』(共著)コモンズ 2017/『徹底解剖 国家戦略特区─私たちの暮らしはどうなる?』(共著)コモンズ 2014