【WHOの新騒音ガイドライン】と【国の固定化回避】で【新飛行ルート拡大】の恐れ

新飛行ルートが始まって、都心低空飛行にギョッとされた経験をされた方も少なくないと思います。

ルート下近くの方たちは、騒音や圧迫感に悩まされていると思います。

空港周辺は、騒音影響を緩和する措置を講じる地域が指定されていますが、新ルート後、見直しが行われていません。

羽田空港は、東京都が指定することになっていて、新ルートに変わったことで、2021年1月に地域の見直しが始まりましたが、コロナの減便の影響から、現在は、見直しが止まっています。

この指定地域の見直しを求める陳情が出されたので、検討したところ、見直すことで、必ずしも、空港周辺住民にとって騒音影響が小さくなるわけではない問題が、見えてきました。

WHOの騒音ガイドラインが変わっているからです。

しかも、いま、新騒音ガイドラインで見直しの内容

国が行っている固定化回避の結果を反映させると、新ルートが拡大する恐れがあるのです。

陳情に対し、どう考えたか、ご報告します。

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2020年3月から始まった羽田空港の新飛行ルートに伴い、東京都が検討を始めている、航空機騒音の空港周辺の指定地域の見直しの拡充を大田区から東京都に求める陳情です。

見直しで、防音対策が取られる地域が広がり、区民などの生活環境が向上すれば良いのですが、不安要素があり反対です。


見直されたWHOの騒音ガイドライン

 

一つが、2018年にWHOの騒音ガイドラインが見直され、

航空会社など
利害関係者の、社会的価値や利益が、騒音評価に影響

数値分析の手法が変わっただけでなく、

飛行機の運行等に伴う航空会社など、利害関係者の、社会的価値や利益に、重みがおかれた騒音評価になっていることです。

この手法が講じられれば、騒音影響が過少に評価される可能性があります。


参考
航空環境研究センター (aerc.jp)研究員 

下山 晃司氏が行った研究

WHO-EU環境騒音ガイドラインと社会調査データからみる 騒音施策展開への課題

 

拡散して影響を小さくすることが、
横田空域含めた首都の空を
自衛隊機、米軍機、旅客機の飛行場所に

【より多数への環境影響の最小化が最優先】と書かれているため、
●飛ぶ場所を変えることで環境影響を薄めることが選ばれ、
●横田空域含めた首都圏全域を低空で、
●自衛隊機、米軍機、旅客機が飛ぶ恐れがあります。

国が検討中の羽田新ルートの【固定化回避】は
環境影響を薄めること

 

固定化回避の検討が終わってから、指定地域の見直しをすると言いますが、
固定化回避は飛ぶ場所を変えることで環境影響を薄めることにほかならず、タブーで例外的に導入された都心低空飛行は常態化し、しかも軍用機の演習場と化すでしょう。

新飛行ルートは
首都圏空港(=百里、横田、羽田、成田)機能強化から始まった

都の指定地域見直しの検討会には、防衛省の関係団体選出の委員がいますし、
私たちは、首都圏空港機能強化の対象空港に、百里など自衛隊の空港や、横田など米軍基地も対象になっていることを忘れてはなりません。

丁寧な説明と民主的合意形成に基づいた、指定区域の見直しをすることが重要で、区民を蚊帳の外に拙速に進めるべきではありません。

 

 

受理年月日令和6年9月3日
羽田空港対策特別委員会

新ルートの指定地域の見直しで空港周辺地域の拡充を東京都に求めてほしいと願う陳情

【趣  旨】


2020年3月29日から運用された羽田空港の新ルートですが、ある時間帯において「海から海へ」から「都心内陸飛行」へと大幅に飛行ルートが変えられたため、国が定めた航空機騒音の環境基準を適用する(防音補助等が配慮される)指定地域の見直しを行わなくてはならなくなりました。

それは都道府県知事、つまり大田区においては東京都がおこないますが、未だに指定地域の見直しは行われていません。コロナ禍後の航空機需要、低騒音機交換の変動期であることや国の「固定化回避検討会」での結論を踏まえた上で決定する予定とのことですが、固定化回避検討会は令和4年8月以降開かれておらず、また次回の日程さえ決まっていません。

新ルートによる大騒音が始まりもう4年半も経過しています。どうか急ぎ、住宅地に最も近いB滑走路西向き離陸による騒音被害への指定地域の見直しを行っていただき、空港周辺の指定地域の拡充を大田区から東京都に求めてほしいと願う陳情。

【理  由】
2020年3月29日から運用された羽田空港の新ルートですが、ある時間帯において「海から海へ」から「都心内陸飛行」へと大幅に飛行ルートが変えられたため、国が定めた航空機騒音の環境基準を適用する(防音補助等が配慮される)指定地域の見直しを行わなくてはならなくなりました。

大田区の羽田周辺地域では今も防音対策が行われていますが、それは、47年も前の1977年(旧B、C滑走路運用時)に指定された決して広いとは言えない地域です。騒音は、その後空港の沖合移転により遠のいていましたが、それが今回の新ルート開始により住宅地に近いB滑走路西向き離陸が運用されることとなり、大きくなって沖合から住宅地へ戻されてしまった状態です。

指定地域の決定は都道府県知事が指定するもので、B滑走路西向き離陸で川崎の街、工場地帯への騒音被害等を抱える神奈川県では各所で騒音測定を行い、今年指定地域の見直し案を出しています。

大田区においては東京都が行うことになりますが、未だに指定地域の見直しは行われていません。コロナ禍後の航空機需要、低騒音機交換の変動期であることや国の「固定化回避検討会」での結論を踏まえた上で決定する予定とのことですが、検討会は港区等から早期開催の要請を受けながらも令和4年8月以降2年も開かれておらず、また次回の日程さえ決まっていません。

新ルートによる大騒音が始まりもう4年半も経過しています。どうか急ぎ、住宅地に最も近いB滑走路西向き離陸による騒音被害への指定地域の見直しを行っていただき、空港周辺の指定地域の拡充を大田区から東京都に求めてほしいとお願い申し上げます。