大田区の土地を長期間貸し出すこと

公の土地は足りているのでしょうか?足りないのでしょうか?

特別養護老人ホームや保育園の整備が進まないのは、適当な土地がなかなか無いからだと大田区は言っています。買いたくても高いし、そもそも、売りに出される土地が無いというのです。

実際、そうした状況に合わせて保育園は、園庭が無くても作れるように「規制緩和」されましたが、その前は、園庭のある保育園をつくれる土地を確保して保育園を整備していました。

区民一人当たりの公園面積も足りていません。
特別養護老人ホームも、土地が無いから、整備できないと言います。

ここまで見ていると大田区の土地は足りていないように感じます。もちろん、どんな土地でも良いわけではありませんから、必要な条件を満たしている必要があると思います。

一方で、大田区は、使わない土地は売る、という方針を持っています。

売るとまでは言いませんが、長期間貸し出している土地も増えています。

貸し出している期間、区民はその土地を公共目的には使えません。

 

蒲田5丁目開発(2003?4年~20年)

大森北一丁目開発(ラズ)(2009年~50年)

羽田空港跡地開発(2020年~50年)

旧羽田旭小学校敷地活用事業(2023年~50年)

 

どれも、開発・敷地活用という名前がついているように、民間事業者がそこを開発します。

蒲田五丁目開発以外は、事業者が開発した建物に、大田区がテナントとして入り、家賃を支払うかたちです。

大森北一丁目(ラズ)開発と羽田空港跡地開発の地代と家賃について調べてみましたが、
どちらも、地主として入ってくる地代(土地の貸出料金)と店子として借りている家賃を比べると、ほぼ同じですが家賃の方が少し高くなっていました。

大森北一丁目開発は、公共目的で貸し出す際の地代で貸しています。
羽田空港跡地開発の地代が、隣接する土地の地代より10分の1程度安くなっています。

 

認可保育園や特別養護老人ホームは民営化し、民間事業者が、土地を買ったり建物を建てたり、借りたりして、建物を確保し、運営しています。

公有地であれば、必要のない事業者への手数料や利益分上乗せして公費(税金)で負担するようになっています。