速報:国交省交渉で分かった【地盤の安全検証無しで進むリニア着工!】安全確保は掘り方の問題だけか?

外環道の陥没事故が起きたにも関らず、JR東海は、特に新たな調査もせずに、トンネル工事を行うと言っています。

そこで、事業の安全について、事業を所管する国交省と交渉を行いました。

交渉してわかったのは、大深度地下使用において安全性を担保する手続きは、行われていなかったということでした。

 
ボーリング調査は、大深度地下(の支持地盤)にあることの手続きに過ぎず、ボーリング調査をしても、安全かどうかを見ているわけでは無いのです。

さすがに地盤事故が起きたので、新たな調査が行われたかと思ったら、それもありません。

 
外環道の事故でも、調査報告書には、地盤の問題が詳細に報告されていましたが、結論は、施工管理強化に限定されました。

そのため、リニア着工に際しての検証でも、安全確保のために行われるのは、施工管理だけ、あとは掘りながら考えるそうです。

 
これで私たちの安全が守れるのか、
 
国交省がJR東海にできる指導は何か聞いたところ、

・安全対策をとりなさい
・住民に耳を傾け理解を得られるようにしなさい

 
という二つだけでした。
 
この安全対策の根拠になっているのが、
 
JR東海が有識者を入れて立ち上げた
「トンネル施工検討委員会シールドトンネル部会」
です。
 
事務局が「JR東海 中央新幹線推進本部」なので、工事着工ありきで
進む感が否めませんが、
 
議事録をみると、
 
JR東海や公共機関等が実施したボーリング調査の結果のほか、
既存の文献により把握した首都圏及び中部圏の計画路線周辺の
支持地盤や地質構成について事務局から説明を受け、こうした結果が
出たようです。
 
外環道の調査でも、人工的に掘削されたエリアであることが取り上げられていますが
この部分と事故との関係がほぼ不問にされています。
地盤調査が不十分なのです。

外環道陥没事故では、
下水管の沈下と管の剥離が起きていて、NEXCO東が因果関係を認めています。
シールドトンネル工事は、上下水道や地下埋設物に影響を及ぼすという事です。

ところが、NEXCO東もJR東海もこれを、事業再開の検証材料に
していません。
 
それどころか、
外環道近隣でガス漏れ事故が起きたのに、ガス管の老朽化で済ませ
外環工事との関係の検証さえ行われていません。
 
 

 

・泥土圧管理の徹底
・泥土の性情の確認
・掘削度の取り込み量の管理の強化
・添加剤の適合性の確認
 
あとは、
GPSによる地表面変化をみることや、環境面での振動騒音対策、家屋調査、などでした。
 
JR東海も国交省も、このまま工事着工することは無いと考えているそうですから、
単に、施工管理の問題だけでなく、そもそも、施工管理だけでは防ぎ得ない
地盤、地質、地下埋設物などの調査も行い、その上で、事業をどうするか
検証すべきです。
 
私は、盛土切土など人工的な地盤改変が著しい都市部において
これだけ長距離に渡り、安全に地下トンネル工事を行うことは、
不可能ではないかと考えています。
 
都心の地下鉄なども心配ですが、
・公道の下を通っていること
・周辺も高層ビルが多く、支持地盤まで基礎が届いていること
・比較的浅深度は、周辺土壌の固化など対策が取られていると思われること
 
など、住宅地とは少し条件が違うように思えます。
 
固い地盤に基礎の無い住宅が密集し、しかも、過去に
地盤に人工的に手を加えている区域で
地中にはガス、上下水道、鉄道などのインフラが埋設されている
区域に長期間(工事期間~リニア開通後)にわたり振動を加えることの安全の検証は
そう簡単では無いと思います。