放置される社会保障、整備基準を作り自動的に財政投入される土木建設

自転車道整備のための基準を規定するための条例改正が行われました。

これで、通行台数一日4000台以上、時速40~50キロ以上の区道の自転車道が整備されることになります。

一方で、特別養護老人ホームは要介護3以上の方と国が示していますが、希望者は、大田区の「優先順位」という基準で選考され、入所できない方がたくさんいます。優先順位の高い方が入れず低い方が入れることもめずらしくありません。

区営住宅も、所得などの要件がありますが、多くの希望者は入居できません。
所得要件の方たちすべてが入所できるよう、区営住宅を整備していないからです。

そのため、抽選で所得上限に近い方が入居できて、低い方が入居できないこともあります。

社会保障サービスは、本来基本的人権を守るための国民の権利であるはずですが、数が足りないから、抽選(区営住宅)、選考(特養)などで権利が行使できない区民がいらっしゃるのです。

・必要数に対し、十分なサービスを整備していないからで、

・サービス提供すべき区の責務を基準で示し、それを条例で明確にしていないから

です。

こうした状況の中で、道路や公園の整備基準は条例で明確化され、自動的に、予算投入される仕組みが次々つくられています。

自転車道は、整備してあれば、安全を確保できる部分もありますが、その分税金投入されるので、さらに、社会保障サービスの必要量に対し、サービス量の確保の整備が遅れるのではないでしょうか。

しかも、この基準で自転車道が整備される可能性のある区道は、物流で今後増えるであろう交通量の多い臨海部の区道でしょう。

私たちがイメージする、生活道における車両と自転車の走行を分け、安全を確保するのとは少し違うように感じます。

条例改正に際して、奈須りえが行った討論を以下に報告いたします。


第22号議案大田区特別区道の構造等に関する条例の一部を改正する条例について反対の立場から討論いたします。

 

この条例は、道路構造令の一部が改正されたことにより、自転車通行帯、自転車道の設置要件が変更となったため、その規定を条例で整備するものです。

私たちは道路を、

◉歩行者として、

◉車を運転するものとして、

また、

◉自転車に乗って走行するなど、

色々な立場で利用します。

 

いずれにしても、こうした利用者の安全を確保することが求められます。

安全確保視点からも、まら、そもそもの都市計画の在り方としても、車道歩道、自転車道の整備の在り方を定めることは、悪いことではありません。

簡単ではない都市部に置ける自転車道の整備

しかし、現実に、過密な大田区のような都市部において、車道ギリギリに活用された民地が広がり、必要なスペースの確保は簡単ではありません。

しかも、道路の機能を向上させることには、財政負担が伴うため、こうした自転車道の整備を条例に盛り込めば、条例に「特別の理由によりやむを得ない場合においてはこの限りではない」とされているものの、設置がほぼ義務付けられることと同じ意味合いになり、区民負担を強いる改正になります。

 

自動的に自転車道を整備する仕組みを作れば、   
   社会保障費が結果として削減

今後の経済財政状況や労働人口の減などと、区民の所得からみた社会保障需要を合わせて考えれば財政負担を自動的に増やす要因をつくることはあってはなりません。

条例改正で整備される自転車道は臨海部

しかも、大田区は、自転車道の整備の事例に、臨海部をあげています。

大田区も人口の微増が止まったというのが2021年度予算における区民税についての説明でした。

ところが、区内の区道で、整備の目安としてあげられているのが、通行台数一日4000台以上、時速4~50キロ以上の道路です。

区内の生活道路でそうした通行量の区道はなかなかありませんし、今後、増える要因も見当たらない中、区内で唯一、通行量の増加が見込まれるのが、臨海部です。

誰のための自転車道整備条例の改正になるか

なぜなら、貿易の自由化により、物流がかわり、海外との輸出入が増えることは必至だからです。すでに、今回の手数料条例改正でも少し触れられていますが、大田区の城南島、京浜島、昭和島は、倉庫が立ち並び、倉庫の需要が増えて、地価も上昇気味だそうです。

仮に、臨海部の通行量が増え、それが区道なら、自転車道含めた整備の負担が大田区の負担になります。

ところが、今回、私が、一般質問で指摘したように、市場や中小企業を通した物流が、グローバル化や自由貿易により減少し、コロナでさらに激減しようとしています。

車両通行量が増え、道路整備費用負担が大きくなっても、その恩恵を受けるのは大田区はじめ国内の中小企業ではなく、グローバル資本である可能性が高いのです。

国をはじめ、そうした制度改正をしてきたことにも警鐘をならし、反対といたします。