増える大田区の第三セクター、確保されない透明性と説明責任
一時批判の声が高まった第三セクターですが、大田区では、出資したり運営費の大半を大田区から補助されているなど、財政的に密接な関係のある第三セクターが増えてきています。しかも、出資していれば必ずしも経営の透明性が確保されるわけではなく、全ての第三セクターの財務諸表等の報告が義務化されているわけではありません。
大田区の外郭団体が、税金のムダづかいにならないように
https://blog.goo.ne.jp/nasrie/e/99079e86b25ef889afaef412a936e81d
財政的負担をしていながら、報告のない外郭団体も増えてきています。どこを報告団体とするか、大田区長(自治体の長)と議会で決められるからです。(条例で定めたものだけを報告すれば良いので、報告したくなければ区長は条例提案しないし、議会が議決しないことができる)
設立の同意を求めるときには、経営に関与する、透明性を確保すると言った説明をしますが、委員会での答弁がその後の報告を担保するものではないことが明らかになっています。
2006年に23区が共同で出資した新会社「東京エコサービス」は、いまほど民営化が進んでいなかった時期でもあり、各区でかなり突っ込んだ議論が行われました。
https://blog.goo.ne.jp/nasrie/s/%E6%96%B0%E4%BC%9A%E7%A4%BE
各区が出資すれば、筆頭株主が民間企業になることもあり、発言権を強めるために、各区が東京23区清掃一部事務組合に出資し、一部事務組合が過半数の株を持つ形を選んでいます。
当初は、大田区にも株主総会の報告が行われていましたが、平成24年を最後に(それも奈須りえが指摘してようやく報告)報告されていません。
今年度、久しぶりに清掃事業を所管する「まちづくり環境委員会」の委員になったこともあり、先日の委員会で、経営内容を報告するよう求めました。ところが、まちづくり環境委員会委員長(自民党深川幹弘議員)が、担当課長に報告不要、個別に説明せよ、と言われたので委員会報告せず奈須に説明に来る、いと担当課長から連絡がありました。
説明を受けるのは良いのですが、委員会報告しない。
出来てしまえば、設立の際の議論や経緯などは風化してしまうということです。
民主主義は議会が開催されていれば、十分に機能するわけではありません。
そこに関与する議員と行政職員と市民の関与の在り方や姿勢が、議会の機能を高めることも、また、ほどほどにとどめることもできる、ということです。