特別区議会議員講演会「市町村代合併と地方議会議員年金制度」にみる議員と市民の意識の格差

皆さんは議員年金に対してどのようなお考えをお持ちでしょうか。

  東京23区の区議会議員を対象にした講演会の今回のテーマは議員年金制度でした。

講師は政策研究大学院大学の横道清孝さん。

◆講演内容◆
 1961年にできた議員年金制度だが、平成の大合併により自治体数が大幅に減少したことにより

①議員数が減り加入者が減って収入が減った
②議員報酬を減額する流れにより更に収入が減った
③議員定数を減らす傾向にあり収入が減っている

一方で
④市町村合併によりやめる議員が増え退職年金や退職一時金など支給が増えた

 結果、市町村議員年金は、2011年には赤字に陥ることになるため何らかの対策を講じなければならなくなっている。

 「地方議会議員年金制度に関する研究会報告書」は下記のような対応策をとりまとめている。

①掛け金の引き上げ
②給付水準の引き下げ
③既に受給している人たちの更なる引き下げ
④退職一時金給付水準の更なる引き下げ

 一時間余の講演の後、質疑の時間が持たれましたが非常に多くの議員が活発に意見を言っていました。

・議員年金を議員特権というが果たして特権的か。
・掛け金と給付考えるとあまり得な精度ではない。
・かけた分返ってくるのか。
・平成19年に給付水準引き下げ、掛け金引き上げなどの変更の制度設計した(が赤字になるなら)その方の責任追及してほしい。
・地方公務員共済との統合考えるべき
・この制度を続けるのは承服出来ない。時代にそぐわないのでやめるべき。月9万9千円の掛け金も民間年金にした方がよい
・議員特権というが議員の実態をわかってほしい
・議員は、旧来の兼職前提、議会だけ出席すればよいのでない。議員は地方公務員並みのレベル与えてほしい

 など、かけた分が戻らない年金なら月10万も払っているよりやめて個人で積立たいから廃止すべきといった意見に対して多くの議員から賛同の声が上がっていました。

 また、2009年3月に総務省が「地方議会議員年金制度検討会」を発足させ、まずは「議員年金制度」存続を基本に今年秋までに報告書をまとめるそうですが、その際にも議員に意見を聞く気があるのかといった意見もありました。

 確かに、支払っていた議員から見れば、こんななずではという気持ちもわからなくはありませんが、はたして、こうした議員の意見は、23区区民から支持されるでしょうか。

 議員特権ではないという主張もありましたが、
・12年支払えば受給できる
・公費負担割合が大きい
など、議員年金の問題点が指摘されています。

 現在の日本の年金制度が、将来的な不安を抱えている中で、これらの議員年金に対する不安や不満はそのまま、現行の年金制度に対する日本国民の不安であり不満でもあります。

 年金制度は国の範疇とは言え、地方議員は、果たして、「議員年金制度」への問題意識と同様の、あるいはそれ以上の熱意をもって年金制度改革を考えているのでしょうか。
 
 議員の役割や位置付けをもって、議員年金を公務員並みにという主張もありましたが、それは、当事者である議員が主張すべきことではなく、有権者が判断することでしょう。
 
 議員特権であるという市民の意見が根強い現状は、議員が市民の期待にこたえられていないということでもあります。
 

なかのひと