一部議員による大田区議会議員の政務調査費の使途に関わる規則の変更の是非

 他自治体で不適切な使途が指摘され、あり方が大きな社会問題になった政務調査費ですが、大田区で使途基準規定が4月1日より変更になりました。

【4月1日からの政務調査費支給基準変更内容】
 現在(2009年5月11日)は、まだ、変更前の規定が大田区のHP上に掲載されていますが、次のようなところが変更になります。

①会派の行政視察に伴う経費として食事代を追加する
②会派の研修会に伴う諸経費として食事代を追加する
③会派又は議員のホームページ作成や管理経費を追加する
④月の限度額が2万円だった交通費(電車、バス、タクシー、ガソリン、有料道路代、時間貸駐車料金)の月額上限を2万円から3万円にする。
⑤区政に関わる諸団体が主催する会合の会費の支出上限を5千円から1万円にする

⑤の内容が分かりにくいのですが、どうも、新年会の会費1万円まで政務調査費で使えるということのようです。
 
 マスコミが政務調査費の問題を大きく取り上げたことがきっかけとなり、それまで、領収書添付の義務付けがなかった大田区議会の政務調査費も、ようやく1円からの領収書添付が義務付けられました。

 【議員個人ではなく会派に支給される政務調査費】
 区議会の中で、非常に不思議な位置付けにあると私がかねてから思っている(その理由については、また、別の機会に)「会派」という表記は、実は、地方自治法においては、政務調査費の支給の項(地方自治法第100条第12項、第13項)にしか出てきません。

 大田区議会では、交渉会派を4名以上としたうえで、3名以上も会派と認めるという扱いをしています。一方で、それ未満の会派を1人会派としています。
 
 地方自治法に、政務調査費を議員個人ではなく、会派に支給すると定められているため、交渉会派と一人会派に政務調査費が支給されています。

 
【交渉会派代表のみで決定された使途基準変更】

 2007年に1円からの領収書添付義務付けを決定した際には、一人会派からの代表も含めた、全議員が、政務調査費について検討する場が設けられましたが、今回の使途基準変更は、現在大田区議会に5つある交渉会派
「大田区議会公明党」
「大田区議会自民党」
「自由民主党大田区議団」
「日本共産党大田区議団」
「大田区議会民主党」
だけで決定してしまいました。

 使途基準が条例に定められていれば、議決が必要であり、全ての議員がその決定について意思表示をする場面を与えられますが、今回の使途基準は「大田区議会における政務調査費の交付に関する条例施行規程」という議決を必要としない「規程」のため、全議員の意思統一が図られないままに、一部議員だけで決定されるようなことが起きてしまいます。

 今回の変更は、議会告示として、告示(掲示)されたようですが、4月15日に大田区役所の前にある掲示板に見に行ったところ告示されていませんでした。
 告示も非常に短い期間だったのでしょう。

 だいたい、あの掲示板に、掲示することで、どれほどの区民がそれに気づくのでしょう。本当に、区民に広く伝えようという意思があるのでしょうか。
 告示の意味とはいったいなんでしょうか。

 一方で、大田区の例規集の第二章の「議会」の第二節「議員等」にある「大田区議会議員待遇者規程」は区議会議決しています。

 今回の規定変更も、告示ではなく、議決するべきだったのではないでしょうか。

 マスコミが政務調査費の問題を大きく取り上げてから約2年が経過した今回の、大田区の政務調査費の使途基準変更の主たる目的は一体何だったのでしょうか。

 
なかのひと