自治体でできるリユースの取り組み

■いただいたコメント■
いろいろな自治体でリサイクルについての記述がありますが。

リユースの促進とは、どういうことをするのでしょうか?

大田区主導のものでは、不用品交換として「バトンタッチ」などの広報誌がありますが、こういったもの以外で何かリユースを促進する何かを行うのでしょうか?
どのようなことを考えていらっしゃるのか、ビジョンを教えてほしいです。
□奈須より□
3R リデュース・リユース・リサイクルと言われていますが、優先順位もこの順番。ゴミを出さないことが

まず大切で、その次に大切なのが繰り返し使うこと。リサイクルは最後の手段。
最近の”リサイクルすれば良い”ととられかねない流れに、3Rから2Rへという動きになっています。
そうした流れの中で、繰り返し使うリユースは本当に大切な視点ですよね。

私も、リユースが消費のしくみにどのように組み込まれるのかは行政の大きな役割だと思っています。
実際に、リユースというと

ビールのビンなどのビン類が思い起こされます。
ただ、ビン類は、現在、缶やペットボトル飲料におされて消費が減りつつあります。
①リユースビンに認定されると補助金が付くのですが、その要件が「おおむね90%の回収率」と高いため

認定を受けられず、結果、費用を持ち出してリユースすることが経営を圧迫するため、リユースされない

ビン類が増えています。
②大田区でこの回収率を定めることはできませんので、国に対して自治体として意見書を出す といった

ことを行っていく必要があります。
③大田区の資源回収の際にビンの回収も行っていますが、自治体回収に出してしまうと、破砕されリサイクル

されることになります。

現在のリユースビンは、様々な規格がありますが、これを統一しようという動きもあります。ビールもジュー

スもお醤油も同じ規格のビンにすることで回収を効率化し一回で壊してまた作り直しているビンから、繰り返し

使えるビンにするという考えです。ただこれも自治体で取り組むことではありませんね。
④リユースという視点では、ペットボトルもリユースにという試みも出てきています。これも、⑤とつながりますが

規格を統一し、ラベルで差別化して資源は有効に活用という視点です。でもこれも厳密には自治体での取り

組みではないですね。
⑤例えば、大田区では、学校給食の牛乳は紙パックです。環境負荷を考えればビン牛乳が良いのですが

「重い」ことを理由に紙パックが選択されています。学校給食で何を使うかを選ぶ際に、環境負荷という

 視点を盛り込むことができます。

 区が関わる消費の中でリユースできる商品を選ぶという視点です。
⑥環境負荷を与えない消費行動を促す啓発が消費者にもっとも身近な自治体の役割になるでしょうか。
日ごろ私が考えているリユースについて思い当たることです。
ただ限界もありますね。
まったく別の発想で、サービサイジングという考え方 があります。ご参考まで。