これまで、地方自治体における改革の論点は行政に重点が置かれていましたが、地方分権一括法施行以降、これまでの国の機関委任事務の遂行に中心がおかれていた地方行政から、地方自治体の自己決定権が大きく拡充され、地方自治のありかたが大きく問われています。
こうした流れの中、地方自治のありかた、そしてまた、あるべき地方自治を考えた時議会がどうあるべきかを自ら問い直し、分権と市民自治の時代にふさわしい地方自治を進めるために動き出している自治体も出てきています。
そこで、「自治基本条例」を議員提案で策定し、現在、「議会基本条例」策定準備中の四日市市と、「二元代表性における議会のあり方検討会」を設置し、「議会基本条例」を策定しようとしている三重県の取り組みについて視察に行ってきました。
三重県四日市市では、議員提案で、「四日市市市民自治基本条例」を制定しています。議員提案によって自治基本条例を制定したのは、市議会では四日市市が全国でも初めてです。
自治基本条例制定に至るまでに、四日市市議会として、様々な取り組みを行っています。
●市政活性化推進等議員懇談会(市活懇)の開催
市の重要事項について、執行部を交えず議員だけで自主的に意見交換情報交換を行う場。議員が提出を予定している議案(主に条例議案)について、事前に議員間の調整を行う
●市の計画の一部を議決事件として取り扱う
総合計画のうち、基本構想は法律により議決事件となっているが、その下位計画である基本計画・推進計画についても、議会として関与すべきとの強い意見があり、青の一つの方法として地方自治法第96条第2項の活用が検討。結果基本計画推進計画は議決事件としての扱いはしなかったが地方自治法第96条第2項に基づき以下の5つの計画を議決事件とする条例を議員提案により上程、可決。
1.地域防災計画
2.水防計画
3.老人保健計画
4.介護保険事業計画
5.都市計画に関する基本的な方針のうち全体構想
●一般質問における一問一答方式採用
●議会の透明化
・本会議のテレビ放映
・正副議長選挙における立候補制の導入
・日程が許す限り、4委員会同時開催を1日2委員会開催に
・議会モニターの設置
・広報公聴委員会の設置
:議会報のみではなく四日市市議会の広報公聴全般を協議
●事務局体制整備
自治基本条例を議員提案により制定した背景には、以前からの様々な取り組みがあったことがわかります。
自治基本条例という性格上、特に、市民によって作成されるべき。条例が理念条例であり、実態をなんら変え得るものではない。と言った批判があり、それはその通りであり、これが完全な方法であったとは思いませんが、多くの自治体で行政が出してきた条例を議会で追認する状況に比べれば、大きな前進であると考えます。
先進的な自治体は、マスコミや他の自治体からの注目を浴び、更に地方自治を充実させるために何が必要であるのかについて積極的に取り組みます。
今、私に何が出来るのかを常に心にして、議会活動に取り組んでいきたいとあらためて決意しました。