50人の会場に入りきらず、部屋の中・外に立って聞く方もいるほど大勢の方が集まりました。(80名までは数えた方がいましたが、部屋の外にも大勢いらっしゃいました)
残念ながら、説明は、住民に納得のいくものではなく、住民の理解を得られないまま説明会が終わりました。
住民は、再度の説明会開催と第三者機関による建物内アスベスト内覧・調査を要望していますが、事業者からの返答はいただけていません。
以下、簡単に説明会の報告をします。
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まず、最初に、「中飛腫・じん肺アスベストセンター」事務局長の永倉さんから「アスベスト」という物質についての説明と、今回の池上旧トーヨーボール解体工事において、注意しなければならない点を、名古屋のトーヨーボールの事例を写真で示しながらお伝えいただきました。
その上で、解体工事業者とそこからアスベスト除去を請け負っている事業者からアスベスト除去についての説明を受けました。
業者によれば、
①解体工事開始を9月13日に予定していたが工事契約できたのが9月と遅れた。
②解体工事案内は9月3、4日に配った。そこで、現在コジマになっているやはりトーヨーボールだった建物解体の際に(死亡)事故が起きており、(安全に工事をして欲しいという)意見をもらった。
③図面が無い。
④当初9階だけにしか飛散性アスベスト(レベル1)は無かったが、並行して調べたところだんだん明らかになってきた。
⑤飛散性アスベスト(レベル1)について最初に調査した。
⑥含有建材(レベル2)次に調査。
⑦現在、レベル3を調べている。
と説明しました。
しかし、その後、
⑧レベル1の調査を済ませた(⑤)はずだったにも関わらず、階段部分に飛散性アスベストが有ったことが判明した。
⑨現在、調査中の建材が多数ある。
⑩住民とアスベストセンターからの指摘で、アスベストが使われている可能性が高く、密閉状況を作るのが困難なエレベータ内の吹き付けシャフトは調査が行われていない。
など、調査が十分で無いことが明らかになりました。
また、会終了後、アスベストセンター永倉さんから、調査は、解体業者がサンプル採取した検体を調査会社が調査しているという指摘がありました。
いずれにしても、調査方法はズサンであると言わざるを得ず、このままの工事再開には、不安が残ります。事業者は、鉄骨部分はコンクリートでおおっているため、アスベストは使われていないと言っています。他のボーリング場で防音対策のため使用していた大量のアスベストを池上トーヨーボールでは何故使用しなかったのでしょう。
図面が無いことでもあり、住民が要望するように、信頼できる第三者機関に調査をしていただくのが、事業者と住民相互の理解の上での安全な解体工事のための最善の方法でしょう。
現在、新宿区の厚生年金会館解体工事において、今回と同様の問題が発生しています。新宿区では、区が内覧する場面にアスベストセンターも立ち会うという形で、内覧を実現しています。
大田区長の地元である池上で起きている、万が一にも事故になれば住民の命にもかかわる重大な事項であり、区長の姿勢が問われます。
事業者は、コンプライアンスを持ち出し、安全に行うと説明していますが、資料も小さくてわかりずらく、必要な情報(例えば、いつ除去するのか、したのか、詳細な日時。アスベスト濃度を測定したのであれば測定器をどこにおいたのか・・・等々。)も提供されていませんでした。
再度の説明会開催は欠かせません。