高齢者の容体急変に伴うサービス提供が自己負担になる可能性

大田区の事例から

 高齢者の状況は、短期間で急変することがあります。
 急変すれば、福祉用具(電動ベッドなど)やヘルパーなどの支給が必要になるため、ケアマネさんが、ご本人の状況に介護度を変えるための区分変更申請を行います。
 その場合、福祉用具やヘルパー派遣は、認定結果を待っていられないため、すぐに支給が始まり、結果が出てからさかのぼって支給が認められています。

 ところが、先日、区分変更申請をしていた直後に利用者さんの状況が急激に悪くなりお亡くなりになったケースがありました。
 
 区分変更が行われていないこの場合、急変してからの福祉用具やヘルパー料、そして医師の区分変更に伴う診断料などはだれが負担すべきでしょうか。


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このケースで、大田区は、利用者さんに対し、自己負担を求めています。
 相談を受けた私は、状況を詳しく聞いたうえで、まず「大田区福祉オンブズマン」に申し入れること、そして、「今後の対応を大田区として検討してもらうよう担当課に伝えること」の二つのアドバイスしました。
 
 大田区の福祉オンブズマンは、以前にヒアリングしたことがありますが、福祉系の大学教授や弁護士がバランス良く配置されていて、その専門性をフルに活かし熱心に活動しています。
 しかし、一方で、オンブズマンが対応している問題の中には、似たようなケースが繰り返し申し立てられている現状があります。
 オンブズマンには行政から独立した苦情処理、行政監視機能、行政改善昨日が期待されています。

 今回のケースも、オンブズマンにより、問題を取り上げることにより表面化すること、そして、それを行政のしくみが改善された制度として定着させることの2つの必要性を感じ、先ほどのアドバイスになりました。

 確かに、受けた職員が迅速に対応すれば、良かったのかもしれませんが、必ずしもそればかりで解決できるものではありません。いくら急いでもタイミング的にうまくいかないこともあり得ます。
 今回のケースのように、悪意で無いことが明らかな容態の急変に伴う区分変更は、今後も有りうる話であり、たとえ生存中に認定が間に合わなくても区分変更を受けたものとして取り扱うようルール化すべきです。

 奇しくも、10月25日に厚生労働省老健局振興課・老人保健課が、「末期がん等への福祉用具貸与の取扱い等について」という文書を全国の介護保険所管課に連絡しています。
 そこでは、急変する場合、認定が間に合わなくても福祉用具の支給をすることができると通知されています。

 福祉用具の支給が可能であれば、ヘルパー派遣や区分変更申請に伴う医師の診断費用にも支給可能ではないでしょうか。

 
 大田区の柔軟な対応を求めます。


なかのひと