資産運用に関心が高まり、政治までもが投資を促す時代に考える、政治の役割

 

「資産運用」という言葉を目にするようになり、富裕層の特別なことではない時代になっています。

資産家になりたい人への情報提供かと思ったのですが、
老後や働けなくなって収入が途絶えたらというリスクや、
こどもの教育費などの出費に備えたい気持ちにうったえるものも多く、

社会の不安を見ているのだなあと思いました。

政治が用意するはずの社会保障では、安心できないと言う現実の裏返しだと思います。

本来、老後の不安には=年金や介護保険

病気やケガは=医療保険

など、公的な社会保険制度があり、私たちは社会保険料を負担しています。

教育や住まいなども、法律や制度が深くかかわっている問題で、税金も使われています。

 

それなのに、年金も介護も医療も教育も住宅も、政治の用意する社会保障などでは安心を得られないというのが現実です。

政治が用意する制度や政策に、問題があるからです。

その政治が用意した仕組みが、
結果、私たちに資産運用せよと働きかけ始めているのです。

年金は物価の上昇に追い付かず、年金生活の高齢者は限られた収入の中で、ある種の選択を強いられ始めていると思います。

 

問題は、私たちが選択するのではなく、政治が選ぶしかない状況を作り、私たちを選ぶ方向へ誘導することです。

 

今年6月に閣議決定された「新しい資本主義グランドデザイン、を読むと、

日本の個人の金融資産、中でも高齢者世帯が持っている500兆円や
年金積立金(積立金総額2020年度末190兆円)を
ベンチャー投資やインフラ投資に流して、投資利益を上げさせようとしている

のが見えてきます。

 

果たして、高齢者世帯の500兆円と年金積立金190兆円を投資して、みんなが投資利益を上げることができるのでしょうか。

そんなうまい話があるなら、なぜ、今まで、やってこなかったのでしょうか。