昨年末、リニア中央新幹線の談合が大きな社会問題になりました。
当初、民間鉄道事業者の工事だったリニアですが、国が3兆円の財政投融資を決めて、私たちの郵便貯金や年金がリニア事業に使われているから、公共性が問われたのです。

というわけで、今日は久しぶりにリニア中央新幹線の問題を取り上げようと思います。

事前に弁護士さんをリニアが通る洗足池周辺や、非常口になる東雪谷の警視庁家族舎宅あと、洗足流れなどにご案内するとともに、意見陳述を作るお手伝いもしました。

1月19日の裁判は、お手伝いした意見陳述を法廷で聞きたくて傍聴にも行きました。傍聴席98人で155人の傍聴希望者がいましたが、しっかり傍聴券を引き当てました。

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【知られていない大田区を走るリニア】

リニア中央新幹線が、大田区を走ります。そして、洗足池からわずか100mほどの大田区東雪谷には非常口を兼ねた排気口が作られます。

それなのに、大田区の地下をリニアが走ることは、あまり知られていません。

大深度地下法と言って、地下深くを「公益的」に利用する場合には、上に住む人には知らせなくて良い(私権がおよばない)という法律があるからです。

どこを走るか詳細に知りたい方はこちらをご覧ください。住宅地図に落とし込まれています。
(大田世田谷 http://company.jr-central.co.jp/chuoshinkansen/daishindo/tunnel/_pdf/oota_setagaya.pdf
 大田世田谷以外はこちら→
 http://company.jr-central.co.jp/chuoshinkansen/daishindo/tunnel/

【豊かな自然環境を残す洗足池】

洗足池は、 池の北に広がる台地に降った雨が地下にしみこんで湧き出た湧水がたまってできた池です。4か所あった水源が今では清水窪一か所になってしまいました。そのため、大田区では、雨水を砕石水路と呼ぶ水路に集めて池の大切な水源にしています。また、「洗足流れ」と呼ばれている池から流れ出る水の水路も整備しています。

こうした大田区の、自然環境の保全の甲斐あって、洗足池や洗足流れには、カワセミの雛がかえるだけでなく、近年は猛禽類のツミなども見られるようになっていて、近隣住民はじめ、多くの人たちの憩いの場になっています。

【大深度地下で洗足池の水が抜けないか心配】

区内有数の自然環境豊かな洗足池のすぐ南の地下75mをリニア中央新幹線が通り、わずか100mという極めて近いところには非常口を兼ねた排気口ができる計画です。

池の水深は2m程度で、排気口のために掘り進めれば、池の水を溜めている帯水層を突き破ることになりますから、池の水がなくなってしまうのではないかと心配です。

1967年9月上野の不忍池は地下鉄千代田線の建設工事に伴う土砂崩れで池の底が抜け、約3万トンの水がトンネルに流れ込む事故が起きています。
長い年月をかけて住民が守り育ててきた池とその周辺の環境がリニア工事で壊されて、池の底をコンクリートで固めた味気ないプールのようになってしまいはしないでしょうか。

【トラックの出入りは一時間で延べ80台、振動や大気汚染は大丈夫?】

掘って出る残土の量は膨大で、多いときには一時間に合わせると延べ80台のトラックが出入りすることになります。周辺は閑静な住宅街ですが、振動や大気汚染は大丈夫でしょうか。

電磁波、大量な電力使用、財政等々問題は多岐にわたりますが、大田区の環境からみるだけでも、課題の大きいことがわかります。

【3兆円の私たちの年金や貯金を使って作るリニアだから、談合など不正は許されない】

リニアは、JR東海という民間企業の事業でしたが、2016年に財政投融資と言って、3兆円の郵便貯金や年金など公的資金が貸し付けられたことで、公共事業という位置づけになりました。談合が問題になっているのも、私たちが貸したお金(公的資金)を不正に使ったからなのです。

そうした意味でも、あらためて、公的意味合いを重く受け止めるとともに、大田区の税金や区民の皆さまの財産の使い方を厳しくチェックしなければ、と思いました。