個別にみれば、良いことだからと賛成していては、区政のチェックにはなりません。
補正予算について、大きく2点に問題がありました。
・処遇改善費用として計上されても、保育士に賃金として十分に支払われない、
・民営化なのに、競争原理が働かない、
そんな施策を認め漫然と税投入してよいのでしょうか。
 
そこで、次のような討論を行い、議案には反対しました。

 

平成29年度大田区一般会計補正予算(第2次)クリックすると議案へ
平成29年第3回大田区議会定例会(第3日) 総務財政委員会審査報告、討論、採決
奈須りえ討論は19分くらいから

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今回の補正予算には、処遇改善加算含めた公定価格引き上げによる私立保育園への給付費の増に伴う3,489万5千円と、4億4,204万円の増額補正が計上されています。
民営化の効果と言われてきた、自由競争経済での価格の低下ですが、毎年公定価格が上がっているそうです。
そこで、議案上程時の質疑で、保育に限らず、他の事業含めたすべての民営化において、自由競争経済で価格が低下するという説明が違っていたということなのか、それとも認可保育園だけ特別な事情があるのか、うかがいましたが、

「公定価格に伴う補正予算については、国が定める認可保育所などに対する人件費、事業費、管理費などで構成される公定価格単価が本年4月に遡及して改訂されたことに伴い必要な経費を計上したもので、民営化に伴うものではない、」

と答弁しています。 
また、民営化による価格低下の効果について検証できているか。
その検証結果は、区民にどのように示しているか
についても質疑しましたが、答弁していただけませんでした。
民営化導入の際には、市場経済に任せれば価格が下がると言ってきたのに、この間、公定価格が上がり続けているのですから、なぜ、今回、公定価格引き上げられたのか説明すべきで、国が公定価格を引き上げたから、では説明になりません。
地方分権で保育は自治事務になりました。
直営か、民間委託にするのか、民営化なのか、大田区が選ぶことができるのです。
しかも、三位一体の改革は、保育が自治事務になったことで、
・住民税を低率化して10%とし、特別区交付金割合を52%から55%に引きあげ、保育が大田区の責任になって国庫補助がなくなったので、増税しているのです。
にもかかわらず、特別区民税が増税されたら、民間事業者で待機児対策すると、国庫補助を出すようになり、大田区は、民間事業者で待機児解消してきました。
特別区民税の増収分や財調割合引き上げ分は待機児対策に使われているでしょうか。増収分を使っても足りないから国の補助金をあてにして待機児対策するなら、都区財調の特別区交付金割合をさらに引き上げるかの検証もすべきではないでしょうか。
 こうして民間事業者で待機児を解消するようになっていますが、市場経済は、利益の最大化のために、消費者に選ばれるよう良質なサービスや商品を提供して売り上げを増やし、無駄を省き、工夫を凝らしてコストを削減します。
ところが、大田区はじめ都心部の自治体の場合、認可保育所が不足していて、需要に対し供給が圧倒的に不足しているうえ、大田区が入園調整するため、売り上げが確保され競争性が働きません。
 公定価格という売り上げの上限に枠がはめられているなかで、利益を最大化しようとすれば、人件費はじめとしたコストを削減することになります。
漫然と国が決めたからと、公定価格として国庫補助を受け入れ、民営化の効果を検証しなければ、いつまでたっても保育士の処遇は改善されず、公定価格は上がり続けることになります。
地方分権により保育が自治事務であることの意味を改めて確認し、区民にとってどう税金を使うことが区民生活にとって最大の効果となるか検証を求め反対といたします。
  
また最近、債務負担行為が多くなっているがなぜかと言う質疑に対し、大田区は、2年以上にわたる工事等について、必要に応じ設定しているという答弁でしたが、それでは、なぜ多くなっているかの答えにはなりません。
今回の債務負担行為は、当初の工事契約の内容をかえ、3つに分けていた契約を1つにまとめるなど、予算編成時と事業スキームを変えているうえ、年度末までまだ時間があるにもかかわらず、上期の時点で翌年度繰り越しを決めています。いったん編成した予算を安易に変えるのは、予算編成が正確性を欠いており問題です。予算編成し、議決をとった予算を安易に変えることは、議決や予算編成への責任を欠く行為でもあり、反対いたします。