大田区立多摩川台公園改良工事について、次のような陳情が提出され、審議のすえ不採択となりました。
私は、次のような理由から採択を主張しました。

陳情27第72号大田区立多摩川台公園改良工事に関する陳情について賛成、不採択に反対の立場から討論いたします。

陳情者はバリアフリーに反対しているわけでなく、バリアフリーの工事の出来具合や手段について課題があると指摘しています。

陳情に際し、大田区が出した現場のバリアフリー工事前、バリアフリー工事後、新旧の写真をみて気になったのは、車いすで通れるようになってはいるものの必ずしも、美しく居心地の良い公園になっているように見えなかったということです。

多摩川台公園は、多摩川に沿って国分寺外線に連なり古墳の上に位置する、緑多く、自然の豊かな公園です。

ところが、貼ってあった石畳をはがしてできあがったのは味気の無いコンクリートの通路です。

バリアフリーならなんでもよいということでしょうか。

オランダに視察に行き、自転車道についてみたことがあります。オランダの景観は高さが整っているだけでなく、素材や色やデザインなどあらゆる視点から調和がとれたまちなみでした。

特に建築物や道路など長く使うものの素材は、自然の素材をふんだんに使うとともに、職人の手で施工されていたのが印象的でした。オランダの田舎町の自転車道はシックな赤みを帯びていましたが、素材について尋ねると色のついた自然の砂を固めて作っているといっていました。まちなみにあった色合いと素材だったのを覚えています。

大田区の、しかも、多摩川台公園という区内の公園の中でも広くまた自然豊かな公園でどうしてこうした工事ができないのでしょうか。

私は、福祉用具の適正な普及に関わる経済産業省の作った団体で仕事をし、またバリアフリーのまちづくりの市民活動も行ってきました。

移動円滑化法により、まちづくりにバリアフリーの視点が入り、この法律に基づき、まちが障害者、高齢者にとって暮らしやすい街になることは重要です。

しかし、一方で、平なら良い、点字ブロックをつければよいというわけではないと考えています。

観光が、イベントや消費、広報宣伝だけでなく、訪れたいまちをどう作るかという問題であり、くらしやすいまちづくりは、バリアをなくすことだけではありません。

マスタープランや地区計画など、言葉は先行しますが、結局は開発や土木工事など手段が先行し、街並みやそこにくらす区民のくらしとの関係はどこにも見えません。

だから、バリアをなくすためまちをコンクリートで固め平らにするだけのまちづくりになっているのではないでしょうか。

まちづくりは、使い捨ての消費材で作る消費ではなく、そこに暮らし生きる住民とともに年を経るほどに風合いが増し、まちなみになじむ素材とデザインで作られるべきで、賛成いたします。