大田区職員の6歳から9歳までの無休の部分育児休暇は、民間企業を、育児休暇無休へと誘導しないか

大田区が条例をかえて、6歳から9歳までの無休の部分育児休暇制度を作りました。

こどもが小さいうちは、予期せぬことが続きますから、子育てのための休暇の制度は重要ですが、この部分育児休暇は、無休です。

これを認めると、民間企業に影響し、民間企業の「子育てのために休んでいいけど、休んだ分、給料は払わないが」スタンダードになったら大変なので、条例改正に反対しました。

残念ながら、こういう、一見よさそうに見えながら、悪影響を及ぼす制度に、反対したのは、奈須りえ一人でした。

 

====================================

公務員は、有給の育児休業制度が整備されているうえ、権利として、育児休暇を取りやすい環境にあります。

そもそも、育児休暇ではありませんが、有給の範囲で時間休暇もとれるので、こどもが小さいうちは、こどもに合わせ、半日よりも短い時間の休暇を有給でとることも可能です。

いま、公務員制度の中で、育児休業制度を拡充するなら、
やはり、有給で整備すべきです。

この条例改正は、
23区の中から提案されたもので、他自治体でも一部整備しているものの、全国的な流れではありません。

だとするなら、なおさらに
日本の大企業が数多くその本社を配する、都心部においてこそ、先進的な育児休業制度を整備すべきだと思います。

公務員の処遇の改定の際は、必ず、国なら人事院、23区なら特別区人事委員会が、制度についての意見を求めます。

それだけ、公務員の処遇は、民間企業に大きく影響を及ぼすのです。

 

公務員の育児制度が進めば、子をもって働き続けようと思えば、公務員は、より選ばれるようになります。
民間企業が、公務員よりいい人を採用しようと思えば、同等の育児制度や、それより高額な給与や年金や退職金など、処遇を整えるでしょう。

有給の育休を拡充することで、民間企業の手本となるべきです。

民間企業に影響し、民間企業の「子育てのために休んでいいけど、休んだ分、給料は払わないが」スタンダードになったら大変です。

育休環境も整備しないといい人は公務員に取られてしまう、と民間企業に思われるような育児制度を整備することこそが、行政の役割だと思い、条例改正に反対しました。