エスカレータ利用に関するアンケート調査報告書
東京都身体障害者団体連絡会

エスカレータ設置が進み、日常生活においてエスカレータを利用する機会が増えています。
特に、駅に設置されているエスカレータは、ラッシュ時を中心に大勢の人が利用することもあり、その安全性が課題になっています。

「エスカレータは手すりにつかまり、お乗りください。かけあがったり、かけおりたりすると大変危険です」というアナウンスは、私たち誰もが耳にしています。

「ひとにやさしいまちづくりを進める大田区民の会」でも、エスカレータ利用に関わり、特に、片側(関東では右)をあけるマナーが定着していることから、片 側が追い越し車線のように利用され、肢体不自由・聴覚障害・視覚障害を持っているかたはそれぞれに危ない思いをしていることが問題視されています。

●肢体不自由:左側にマヒのある場合右に立ち手すりを持ちたいが、右に立つと邪魔にされる。
●聴覚障害 :後ろから勢いよく駆け登られてきても気づかずぶつかるなど怖い。
●視覚障害 :白杖の持ち手を替えなければならない。ガイドヘルパーと並んで立てない。
●高齢者・子ども連れ:上記いずれも

そこで、蒲田を中心にイベントを行ったり、チラシを配るなどの啓発活動を行ってきましたが、共感してくださる方が大勢いらっしゃる一方で、全く関心の無い方も多く、エスカレータ利用に関わる安全をどのように確保するかが課題になっていました。

以前に、東洋大学の高橋儀平先生が関わられた「エスカレータに係る事故防止対策検討委員会」の報告書(東京消防庁発行:平成17年3月) でも事故事例を分析するなど詳細な調査を行い、エスカレータの利用に係る危険性を予見しています。

今回のアンケートでは、比較的多くの方に、そして、健常者も含めてアンケートをとっています。

なぜ階段を利用しないのかという質問に対し、障害者が「身体の具合で厳しいから」という理由が大半のなのに対し、障害を持たない方は、「疲れているから」と答えているのがほとんどです。

危険だと感じたことがあるかという設問に対する解答への障害者の有る方と無い方の差はほとんど見られませんでした。一方で、危険だと感じたことが無い方 が、双方ともに半数以上いましたが、以前の東京消防庁が行った調査からもわかるよう、エスカレータでの危険性は無いわけではなく、事故も起きていることか ら、安全な乗り方への啓もうこそが、事故予防の課題であると感じます。

エスカレータの利用に関しては、平成22年3月に国土技術政策総合研究所も、その報告書 の中で、設置の基準や事故例などに触れています。

その中で、大人の転倒事故が激増にあること。その要因として高齢化に対応したハード、ソフト両面の対策が十分でなかったことが指摘されています。

大田区の当事者から始まった市民活動ですが、社会変化の中でのエスカレータ利用の在り方が大きく問われる時期に来ています。