大田区政から類推するダボス会議での岸田首相の発言の意図するところを考えてみました

昨年のダボス会議での岸田さんの発言は問題だなあ、と思っていたのですが、うまく説明できずにいました。

岸田文雄内閣総理大臣が、ダボス会議の特別講演で言う「新しい資本主義」とは – 大田区議会議員 奈須りえ  フェアな民主主義を大田区から! (goo.ne.jp)

 

「監視なき権力集中をもたらす国家資本主義」は社会変革を行う上では効率的であるとの指摘もあります。

しかしながら、

「チェック機構を欠く国家資本主義は、国内外で大きな副作用を伴う行動をするリスクが高いことは歴史が示すところです。」

「民主主義の普遍的な価値観を守りながら、新しい時代に向けて
経済社会を大きく変換していく」
すなわち 、“ Great Transformation of Liberal Democratic society”を目指していきます。

【監視なき】権力集中をもたらす国家資本主義=効率的」

【チェック機構】を欠く国家資本主義=リスクが高い」、

どちらも国家資本主義のことを言っていっていて、国家資本主義を効率的と言っているのは問題だなあと思ってきたのですが、
【  】の形容詞部分がすっきり来なかったのです。

実は、いま、大田区政をふり返って本にしようとしていて、この間の政治の流れをあらためて見ていたら、岸田さんの発言に主語を加えることを想いつきました。

 

(国民が国家を監視していなければ、)国が資本主義を効率的に推進できるが
(国民の言動をチェックしていなければ、)社会的な緊張が高まる。
(だから)
民主主義の”価値観”は守りながら、
民主主義社会の大転換を目指します。

わかりやすくなったと思うのですが、いかがでしょうか。

 


岸田さんのダボス会議での発言の抜粋

監視なき権力集中をもたらす国家資本主義」は社会変革を行う上では効率的であるとの指摘もあります。

しかしながら、

チェック機構を欠く国家資本主義は、国内外で大きな副作用を伴う行動をするリスクが高いことは歴史が示すところです。」

民主主義の普遍的な価値観を守りながら、新しい時代に向けて
経済社会を大きく変換していく」
すなわち 、“ Great Transformation of Liberal Democratic society”を目指していきます。

 

これらの発言は、

こうは読めないでしょうか。

 

(国民からの)監視の無い国家資本主義」は社会変革を行う上では効率的だが、

(国民の言動を)チェックする仕組みの無い国家資本主義」は、副作用を伴う行動をする社会的緊張が高まる

 

ダボス会議での原文をあたってみたら、

「副作用を伴う行動をするリスク」は

produces problems such as social tensions

と英訳していました。社会的緊張などの問題を引き起こすという意味です。

 

しかも、
Great Transformation of Liberal Democratic society
を目指していきます。

と書いてありますから、

民主主義社会の大転換を目指します、と言っているのです。

 

そうなると、この文章は、

国民が国家を監視していなければ、国が資本主義を効率的に推進できるが
国民の言動をチェックしていなければ、社会的な緊張が高まる。
(だから)
民主主義の”価値観”は守りながら、
民主主義社会の大転換を目指します。

嫌な感じですよね。
国民には国を監視してもらわない方がいいし、国民の言動はチェックして社会的緊張が高まらないようにしよう
と言っているのです。

まるで、これから岸田さんがしようとしていることが、社会的な緊張の高まることのように思ってしまいますね。

国だと、Great Transformation (大転換) くらいだったら使ってもいいんでしょうか?
総務省では第五次デジタル革命、とかも使っていますし。

たぶん、国民が革命などという言葉を使えば、大問題になると思うのですが、