特別定額給付金が遅れる本当の理由 国のマイナンバーカードによる個人情報管理スーパーシティ
特別定額給付金の給付が遅れています。
緊急性を要するからと、大田区では議会の議決までせず専決処分で手続きを始めていますが、一部、振り込まれましたが、まだまだ多くのみなさんが給付をまっていらっしゃいます。
遅くなる理由について、調べていましたが、マイナンバーと、今審議中の国家戦略特区法改正によるスーパーシティに関係があるのではないかと思っています。
マイナンバーは自治体のカードなのに、申請時に、いったん、国がマイナポータルという、国のデータベースにつなげさせ、一元管理できるようにしているからです。
しかも、今、国会では、
①個人情報保護法が改正され、他の情報と照合しない限り特定の個人を識別することができない【仮名加工情報】という新たな個人情報を位置づけようとしていて、
②過去に同意した個人情報は、その後の社会変化に応じて、自動的に同意の範囲を拡大させるようにしています。
すでに、第三者提供も可能になっていますので、
国家戦略特区法と個人情報が改正されると、マイナポータルに登録した仮名加工情報を、スーパーシティで認定された事業者が、認定事業に使える可能性があります。
しかも、リーマンショックの2009年に給付された定額給付金の時は、申請期限が6か月でしたが、今回の申請期限は、急遽決まって制度の準備も不十分な状況で、3か月と半分です。
前回でも給付漏れがあったと聞いていますから、権利をお持ちの方みなさんに給付することは簡単ではありません。
にもかかわらず、国は、3か月の期限を郵送開始からとしていて、窓口申請や、自治体の紙での申請も郵送申請と位置付けられるため、急いで申請すると、給付もれが生じる恐れがあります。
当然、緊急時ですから、十分な体制で、必要な方に確実に給付できることが重要ですが、国の制度は、電子申請に誘導していると強く感じます。
同時に進む、スーパーシティに関する法律の改正。
コロナに乗じ、国民の困窮につけこみ、さらに個人情報を企業に利用させようとしているのではないでしょうか。
江戸川区のように、職員100人体制で窓口払いする区もある一方、大田区は基本、窓口払いも無く、振り込みが遅いので、特別定額給付金の給付の流れについて確認しました。
私の聞いた説明では、電子申請のほうが郵送より早く、中旬から下旬以降に振り込み
郵送申請は、発送も5月末発送と遅く、そのため振込みも6月中旬以降と聞きました。
しかも、電子申請の5月中旬から下旬以降に受け取れる方は、すでにマイナンバーカードをお持ちの方です。
今からマイナンバーカードを申請しても、1~2カ月かかりますから、郵送の方が早いかもしれない状況で、そうなると、早くても6月中旬以降、下旬に振込みということになります。
大田区でも、急いで処理したいと言うことで、議会の議決も省略して(私は急げばできますし、夜でも休日でもやればいいと思いますが)手続きが始まりましたが、
江戸川区の職員100人体制の窓口払いなどに比べ、努力不足の感が否めず、残念です。
一方で、大田区の努力不足は認めますが、国も窓口払いを
①預金口座の無い人
②金融機関が近所に無い人
など限定的にしか認めず、電子申請へと誘導している感があります。
特別定額給付金は自治体に国庫負担金として全額国から給付されます。
自治体が住民に給付するにもかかわらず、私たちは、総務省の作ったマイナポータルサイトへ登録しなければなりません。
それでは、電子申請なら早いかと言えば、カードを持っていない方は取得に1~2カ月かかります。
国は、行政・企業・個人情報をデータベース化し、企業の金儲けに使わせようとしています。
国家戦略特区法を改正してつくる、スーパーシティ構想で、現在国会で審議中です。
実は、国、都道府県、区市町村の持つ情報は、つながっていません。
もちろん、企業ともつながっていませんし、個人情報も本人の了解が無ければ、使用することができません。
今回、特別定額給付金を利用し、ここをつなげようとしているのではないかと思います。
マイナンバーカードを持った個人が、電子申請して、総務省の作ったマイナポータルサイトへ登録することで、国のデータベースとマイナンバーがつながれることになります。
国が法改正すれば、マイナンバー経由で、行政の持つ個人情報が、国のデータベースに入ることが可能です。
今回は、基礎自治体=区市町村ですから、たとえば大田区の持つ情報には、住所、氏名、戸籍、家族関係、年収(住民税)、医療(国民健康保険)、介護(介護保険)、障害、生活保護、などがあります。
マイナンバーには、こうした情報が入っていますから、今回、電子申請でマイナンバーと国のデータベースをつなげると、国会で、国家戦略特区法が改正されると、ここに企業情報と個人情報をつなげ、個人を特定しないかたちだからという条件で、企業の使用が可能になります。
都道府県の情報もここに入れると言っていますから、そうなると固定資産情報や、NPOの登録、介護保険の施設の情報や病院の情報なども入ってくるでしょう。
個人を特定しないと言っていますが、企業が持つSNS情報には顔認証もあれば、個人を特定できる情報もありますから、国のデータ基盤から得た情報と企業の持つ情報をつなぎ合わせると、その企業内では、個人を特定できるかもしれません。
コロナで所得がなくなり、減り、定額給付金で、マイナンバーカードにつなげる。
第二回の給付が必ずあるとみています。
今回、給付を遅らせ、次はマイナンバーカードがあれば早く受け取れると言って、マイナンバーカードの保有率を一気にあげるのでしょう。
次にくるのは、ブルートゥースによる位置情報と人との接触を管理できる仕組みを使った感染管理ではないでしょうか。
コロナの感染につけこみ、個人管理、情報利用が進むことに危機感を覚えます。
すでに、まちのあちこちには、行政が補助金を出して設置した民間団体の防犯カメラがたくさんあります。
個人情報の管理をしっかり守ることを条件に補助金が給付されているはずですが、団体の中には、カメラの画像管理を防犯カメラ会社にお願いしてしまっているところがあると聞きました。
警察が画像提供を受けたいとき、防犯カメラの情報を防犯カメラを所有する団体ではなく、防犯カメラを販売した会社に依頼するのだそうです。
大田区にも数千という防犯カメラが設置されていますが、大丈夫でしょうか。