入札で工事業者を決めると決めていた平和島公園のプールですが、入札をやめてプロポーザルにかえるため、1532万6千円を減額する補正予算が計上されました。
業者の希望を聞いて、入札をやめることは問題があると考えて、補正予算には賛成できませんでした。議決の際の反対討論を掲載します。

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第61号議案 令和元年度大田区一般会計補正予算(第3次)に反対の立場から討論します。今回の補正予算には、平和島公園水泳場施設改修工事基本計画策定委託事業者の選定方法を入札から、プロポーザルにするために、1,532万6千円を減額する補正が計上されています。

大田区は、入札ではなくプロポーザルにかえる理由を、夏季2か月間しか使わないので、それ以外の期間の活用方法を提案させるために行うと言っています。それ以外の期間、プールを活用したいのは、いったい誰でしょうか。

大田区は、いったん、平和島公園のプールの改修事業者を入札して決める予算を議会で可決したにも関わらず、サウンディング調査で意見を聞いた事業者の声により、プロポーザルに変えました。

【業者の意向で動く大田区】

サウンディング調査をした事業者が使いたがっているということです。

それでは、いったいサウンディング調査と何でしょうか。

国土交通省は、サンディング調査について、次のように説明しています。

公有地活用や民間活力の導入など地方公共団体による官民連携事業において、民間事業者が「参加しやすい」公募を行うためには、事業発案段階や事業化検討段階において、地方公共団体が民間事業者に意見や提案などを求め、民間事業者との対話を通じ、「市場性の有無」(金儲けになるかどうか)や「実現可能性」(採算性がとれるか)の把握、民間事業者が有するアイデアの収集等をおこなう「サウンディング型市場調査」が有効です。

公園やプールといった公の財産について、特定の事業者に、どう金儲けできるか、事前に意見や提案を求めるのがサウンディング調査だと説明しているのです。

大田区は、せせらぎ公園でも、洗足池公園でも、

新たな公園施設の整備や既存施設の有効活用など、民間活力の導入に向けた具体的な事業化検討が急がれている、

とホームページで公表していますが、誰が急いでいるのかも、なぜ、公園施設整備や既存施設整備が必要なのかも、区民にちゃんと説明されたことはありません。

そもそも、サウンディング調査は、市場性の有無(金儲けになるかどうか)や実現可能性(採算性がとれるか)の把握です。

同じく、大田区のホームページに、サウンディング調査の目的は、民間事業者との対話を通じて、公園における民間活力の効果的な導入方策について意見をお聞きすることで、事業提案や事業参入に係わる条件等の把握を行い、維持管理運営等に係わる公民連携手法導入に向けた事業化計画へ反映することと、書いています。

【区民の声は聞かないのに、業者の声ばかり聞いている大田区】

一方の、主権者である国民、区政について信託を受けている住民とは、対話もせず、住民意見も聞かない状況で、事業者の意見ばかり聞いているのは、大田区政の住民自治を無視する行為に等しく問題です。

このサウンディング調査について、国土交通省は、公募前に一部の民間事業者に説明することから、公平性や透明性の確保、聞き取った民間事業者のアイデアの取扱いに注意が必要です。

と言っています。

入札もせず、どうやって、意見聴取する事業者を決めるのかも曖昧で、意見を聞いた事業者の意向を聞いて、事業者選考方法までかえるなど、公平性などの点からも問題です。

【入札が減り失う公平性、のしかかる重い税負担】

入札は、安くて質の良いものを、公平に選べるしくみで物品購入や工事契約は、入札が基本です。

ところが、最近、協定やプロポーザルで、入札をしない契約が増えています。

わずかな利便性や特徴のために、入札を排除すれば、事業者選考における公平性は崩壊し、税負担は重くなります。

民間事業者もプールを運営していますから、

本来、自治体が公園で行うプールの運営はどうあるべきか、という原則があり、その原則の中で、大田区は、住民の意見を聞きながら、財政的な優先順位をもって、公園プールの在り方の合意形成を行うべきです。

 【民間事業者任せで失う大田区のノウハウ】

大田区は、早い段階から公園プールの維持管理運営に指定管理者制度を採用しています。

現場を失い、プールの改修に必要なノウハウそのものを大田区が失っていることが、どのようなプールが良いのか、サウンディング調査に頼らなければならない状況を招いている部分もあるのではないでしょうか。

民でできることは、民で、と公の分野の民営化が進み、大田区は、単なる発注者にすぎなくなりつつあります。

ノウハウを失えば、公園改修に必要な仕様を作ることもできなくなりますし、民間事業者の監視やチェックもできません、

一方の、民間事業者も、低賃金労働者で現場を担い、安全や質の維持管理、継承は簡単ではないと思います。

ビジネスチャンスを広げるための、市場経済原理に基づいた、楽しい、快適、便利、のために、私たちの財産、今回であれば、平和島公園プールが使われるようになっています。

【大田区の民間任せが広げる格差】

いつでも、だれでも、無料、あるいは低価格で使用できるはずの公共財産から、事業者が利益を上げることを許せば、その事業者の株主と、私たちとの格差はますます広がるでしょう。

入札の原則が失われつつあり、契約の公平性と価格を担保できなくなることに警鐘をならし、反対いたします。