だからコストがかさむ大田スタジアム改修 公共施設整備の老朽化対策は適正か
公共施設の耐用年数切れ時期が集中していて、老朽化対策が課題と言われていますが、実際の対策をみると、本気で老朽化問題を乗り越えようとしているのか疑問です。
かえってコスト負担が大きくなっているからです。
臨時会では、羽田の跡地購入予算に加え、大田スタジアムの改修と平和島ユースセンターの改修の議案が計上されましたが、どちらも、「本気で膨大な改修予算を節減して適正な公共施設管理をする」改修ではありませんでした。
大田スタジアム改修25憶円は、改修費が20憶円ですが、バリアフリー2憶5千万、バリューアップに2憶5千万。バリューアップ(自動でせりあがるマウンドと壁面緑化)で1割増しになっているのです。
そもそも、ひび割れを放置すれば使えなくなるので20憶円使って改修する、が適正な価格か判断することができませんが、膨大な費用です。こうした土木建設費用は、行政の優先順位が判断できる状況であればこその予算計上です。ところが、大田区が羽田空港の跡地を人に貸すために買うという時代で、出されても疑念はぬぐい切れません。
少なくとも、バリューアップ費用として計上された、自動でせりあがるマウンドとツタなどの壁面緑化に2憶5千万円は、いま、負担の大きな認証保育所や給付を抑制している介護のために使うべきではないでしょうか。
残念ながら、奈須りえ一人が異議を唱えましたがみなさまはどう思われますか?
以下に議案の討論を掲載します。
フェアな民主主義 奈須りえです。
第46号議案
大田スタジアム施設改修工事請負契約について
について反対の立場から討論いたします。
公共施設の老朽化が大きな課題で、大田区は、減築や改築におけるコスト削減に取り組まなければなりません。
ところが本議案の改築もそうですが、工事内容は必ずしも、すべてが老朽化のために行われているわけではありません。
バリューアップ事業はその名の通り、付加価値を高める工事ですから、老朽化だけでなく、さらなる費用負担を伴う工事です。
たしかに、便利になったりきれいになったり快適になることは好ましいのですが、そこにはみんなの税金で負担しなければなりません。課題は、公共施設の老朽化だけでなく、大田区は社会保障の責任主体で、子育て介護障害教育医療住宅など、住民生活に直結した課題を解決しなければ区民は場合によっては生きていけなくなります。
今回の議案は、優先度の非常に高いものからそうでもないものまで一緒に提案しているため、議論の遡上にもあげることができません。
財政が厳しいいまだからこそ、選択と集中でいえば、どうしても必要な工事を選択し、そこに予算投入できる状況をつくるためにも、優先度に応じた議論ができる状況を作るべきです。
しかも、海外視察に行くと実感しますが、日本は税金で買うものが高付加価値の高いもので、区民・国民はそうした高付加価値のものは使っていない傾向があります。
【行政は、コスト意識なく良いものを買っている】のではないかという問題意識です。
みんなの「こと」や「物」ほど、コスト意識を発揮すべきです。
壁面緑化は維持管理コストがかかりますから、同じ緑化ならコスト負担の少ない地植え樹木での緑化。マウンドは今はあきらめ、将来、財政が落ち着いたときに作ってはどうでしょう。
優先順位の低いものを購入すべき時にないことから反対です。