かつて、1億総中流と言っていた時の中間層は、豊かさの象徴でもあったと思います。
ところが、国は、
「東京都の中間層の世帯は経済的に豊かであるとは言えない」
と言っています。
東京都民が働き、稼いだ富はどこへ行ってるのでしょうか
経済的豊かさは、誰が享受しているのでしょうか
国交省が令和3年1月に作った「企業等の東京一極集中に関する懇談会」の資料をみると
001380281.pdf (p21)

●2人以上の世帯所得平均は1位ですが
●税と社会保険料を引くと3位に下がり
●基礎支出(食住関係支出)が一番多く
●手元に残るのは42位になってしまいます
しかも、
可処分所得の中央値は12位で、一部の高所得者が平均を引き上げてるのがわかります
このデータは、
2人以上世帯を対象としているので、
1人世帯が加わると、単身世帯は、税控除などが少ないため、
単身世帯割合が1番大きい東京都は、更に下がることになります
ちょっと収入が多くても
税も社会保険料も負担が大きく
土地や物価も高いから、手元に残る自由に使えるお金は少なくて
経済的に豊かと言えないと国も認めているのです
経済の中心東京で
中間層は、経済的豊かさの恩恵を受けられていない、という皮肉な現実です
一方で、
東京都には、
大都市の一体的な整備などの名目で
税収を東京都に集中させる仕組みが存在します
大阪都構想の元にもなった「都区制度」がそれで
もともとは、戦前に、戦費調達のため作られたと言われています
本来、基礎的自治体である区側の収入とすべき
法人住民税・固定資産税等の約半分を、
都が使えるようにしているのが、都区制度です
たとえば、2025年度予算で見ると
法人住民税・固定資産税などの合計は2兆3115億円
そのうち、23区に配分されるのは1兆2983億円で
都が1兆132億円も吸い上げています。

https://www.tokyo23city-kuchokai.jp/seido/gaiyo_1.html
しかも、
都市計画税も、本来は、区側の税収のはずですが
これも全額2900億円が都の税収になります。
約1兆3000億円も税収が都に集中する仕組みが存在するのです。
上下水道や消防など、大都市事務を都が行っている部分もありますが、
それでも、1兆3000億円と言う
税収が都に入ると言うのは、非常に大きな額だと思います。
経済の中心東京都が生み出す、
1兆3000億円と言う税収も、都政も、
都民の経済的豊かさのためになっていないことは
国も言っているのですから、残念ながら、確かなことなのです
いったい、誰が、その恩恵を受けているのでしょう