バックできないから、故障しても取り替えられない、私有地に出られないリニアのシールドマシン
リニア中央新幹線の延期が公表されました。
工事の延期は、静岡県の水枯れ問題が大きく取り上げられていますが
品川から掘り始める前の安全確認のための調査掘進も進みません
シールドマシンの不具合が原因のようで、300m掘って調査し、安全確認するはずが
2年経っても、調査が終わらず、124m進んだところで止まっています。
5兆円も有利な融資を受けているのだから、シールドマシンが故障してなかなか直らないなら
メーカーに言って、新しいシールドマシンと交換すればいいのに、と思ったら、
シールドマシンは、バックできないのだそうです。
そう思って、シールドマシンの現在地を調べたら、品川の立坑から124m
山手通りと目黒川という公共用地の下で止まっています。
私有地に出られていないのです。
シールドマシンを取り出すには、上に引き上げなければならないそうです。
地権者の多い私有地に出てしまったら、大事になりますからね。
今回の工期の延期と言われている好評ですが、静岡の水枯れ問題だけでなく、
要因はいろいろとありそうです。
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そう思って、あらためて、
「工事実施計画(その3)及び変更の認可申請について」
リニア計画変更2023年12月14日
を読んだら、
工事完了が2027年から2027年以降に延期されただけでなく
総工事費が大幅に増えています。
5兆 5,235 億円から、7兆 482 億円=約3割増(1.27倍)
増えた理由は、
駅・車両基地の建築工事や設備工事、車両等の費用、難工事への対応、地震対策の充実、発生土の活用先の確保等
品川からのトンネル工事は進みませんが、進まないのは都心部地中のトンネル部分で、
駅や車両や大深度以外の区域では、工費を多額に投入しようとしているのですね。
私は、人や物が足りない今、需要を増やせば、物価が上がるので、
減税のの陰で行う、21.7兆円の財政出動が、インフレ誘導になると警鐘を鳴らしていますが、
リニアも、奇しくも、工事費を増額しているのですね。
大田区も、今後6年、箱モノだけでも税金投入額を800億円上乗せする決定をしています。
ここでも、そこでも、
箱モノや開発への巨額な需要増。
閣議決定:「デフレからの完全脱却」は、日本全体で足並みをそろえ、進んでいます。
インフレが景気を良くするのは、
公共事業など、政治が優遇する一部の事業。
トリクルダウンが、過去のものになっていることも、
そこで働く人の収入が増えるとは限らないことも、
昨今の一部の企業の最高益が続いているけれど、配当などは増えても賃金に反映されないことからも
体験済みですね。