あの短い広報で、私を信頼し任せられているのだと思うと、信頼にこたえるためにがんばらなくてはと思います。
一方で、議員は、議会はいったい何をしているのだろうと思われている方もいます。「議員などどうせたいしたことはしていないだろう」「政務調査費の領収書の添付が出来ないのは不都合があるからだ」とはっきりおっしゃる区民もいます。
実際、区政に係ることはどこでのように決められていくのか。議会はどのように関与しているのか。議員は、何をどのように発言しているか。そうしたことまで知っている方はごく少数なのでは無いでしょうか。
政務調査費も定数削減も、市民の議員に、また、議会に対する不信の表れと真摯に受け止めるところであり、領収書の添付すれば良いと言う問題ではありません。
二元代表制という現在の制度下における地方自治のあり方とともに、現在の議会の抱える問題が論じられるようになっています。
そうした中、議会本来の役割を取り戻すため、「変えなきゃ!議会」自治体改革フォーラム2007が立ち上がりました。私も賛同議員として参加しています。
変えなきゃ!議会2007では改革目標として10の提案を掲げています。
ステップ1【2007年統一地方自治体選挙での共通改革目標】
1.議員同士が責任を持って自由に討議する議会
2.市民も参加できる開かれた議会
3.積極的に情報を公開し透明性のある議会
ステップ2【今の制度のもとでも実現できるはず!まだ出来ていなかったらすぐに着手しよう】
4.一問一答でわかりやすい議論をする議会
5.市民のわかりやすい議会
6.行政となれ合わない議会
7.市民と政策をつくる議会
8.行政から独立した事務局をもつ議会
ステップ3【地方自治法を変えて改革しよう】
9.実効性あるチェック機能をもつ議会
10.自ら運営できる議会
1〜10までをお読みになってどのような感想をもたれましたか?
大田の区議会で出来ていることもありますが、ほとんどの項目は、まだまだ不十分なことばかりです。自治体によっては、どれひとつ出来ていないところもあるかもしれません。
法政大学法学部 五十嵐敬喜 教授は、2月号のガバナンス「入札改革と住民監視」に、談合などのチェックが機能しない理由を次のように掲載しています。
最近の調査によれば、首長の提出する議案の99%はそのまま議会を通過している。首長と議会は一体なのである。首長は予算編成権と人事権を持ち、ほとんど「帝王」のように振る舞うこと、議員は首長に従わなければ利権にあずかれないこと、あるいは選挙の際に首長の応援を必要とすること、などなどがその原因だと言われている。
地方議会は、首長に対してチェック機関として緊張感を持って対峙しなければなりませんが、現状は、首長与党と野党という区分けにより議案に対する態度(賛成か反対か)が決まってしまうことがほとんどです。
事前審査が禁じられていますが、「首長の提出する議案の99%はそのまま議会を通過している」ということばが示すとおり、提案されればほぼ可決するのが現在の議会なのです。
しかし、一方で、五十嵐教授は、同じく2月号のガバナンスにおいて、こうも言っています。
なぜ機能しないか。・・・・すべての権力の源泉である主権者市民の関心の薄さであろう。確かに市民は選挙によって権力を監視する権限を持っているが選挙にもあまり行かず行ったとしても「政策」などではなく、多くの場合、地縁、血縁あるいは利害そのものによって投票している。・・・・たとえば長野県でダムの建設が争点となった知事の選挙などでは、市民は一方でダムに反対する首長に投票し、議会選挙では逆にそれに賛成する議員に投票するという奇妙な行動をとっている。しかしこれはまだよい。出直し自治選挙が行われた和歌山県では、あれほど知事の談合を批判しながら投票率は35%しかなかった。・・・要するにその場その場のお任せ民主主義が日本の市民の実態なのである。
五十嵐先生の文章は、談合の背景にある現在の地方自治のあり方への批判であり、そうした状況を容認している市民への警告でしょう。
市民からは、投票したい議員・政治家がいないから仕方が無いという反論が目に見えるようです。
卵が先か、ニワトリが先か。
それなら、できることからひとつずつ。議会にいる当事者である私にできることは、中から議会を変えること。
慣例にしばられた市民不在の議会を情報公開と説明責任で変える時です。