大田西地域行政センター新築について(その2)

設計段階からのバリアフリー点検

 大田西地域行政センター新築に伴い、設計図ができたことから、「ひとにやさしいまちづくりを進める大田区民の会」でバリアフリーの視点で点検を行いました。

 視覚障がい、聴覚障がい、車いすのそれぞれの当事者も加わり、図面を確認しながら、様々な視点からの提案を行いました。

 これまでも、「やさしいまちづくりの会」では、バリアフリーの点検を行い、それを元に要望、提案を行ってきました。
 「やさしいまちづくりの会」では、提案に対する回答をお願いしてきました。これまでは、要望や提案に対してどのような対策を講じたのか、あるいは、何もできなかったのか、そしてその理由はなんなのか示されたことがありませんでした。しかし、今回は、点検の約2週間後に、書面での回答を得ることができました。

 要望提案事項は30項目近くになりますが、そのひとつひとつに丁寧な回答を得ました。

 案内板表示を弱視にもわかり易く、相談室のドアは開きではなく引き戸に、エレベーターの鏡は足元まで見えるよう大きく、トイレに杖ホルダーを、車いす駐車場から庁舎内へ雨の日でも入りやすい経路を考えて欲しい、視力障害のための音声案内設置など、ほとんどの項目について対応する或いは検討するという回答を得ることができました。

 一方で、今回の移転の大きな目的である雪谷大塚町周辺のまちづくりを考えれば、
 
 駅舎のエレベーターを中原街道側にも設置できないか、駅の踏み切りの幅が狭くすれ違いにくい上にでこぼこしていて使いづらい、駅のバス停周辺の放置自転車対策

 といった意見に対しどのように取り組んでいくのかが最も重要な取り組みであるにも係らず、鉄道事業者との調整が必要であるという回答だけでは、単なる西行政センターの移転になってしまいます。
 雪谷大塚町周辺のまちづくり取り組む姿勢を明確に示すためにも、積極的に鉄道事業者など、関係者と積極的に雪谷大塚周辺のまちづくりを考えていかなければならないのではないでしょうか。

 「やさしいまちづくりの会」は、会での活動を、行政との協働と位置づけ、市民参加によるまちづくりに積極的にかかわってきました。会の活動も満五年を過ぎようとしてようやく、行政と対等な立場で点検作業ができるようになったと感じます。
 今回の大田西地域行政センターに限らず、今後、バリアフリー点検を行った際には、要望・提案事項とそれに対する回答が文書で示されることが必要です。ルール化されなくてはなりません。