図書館については、今回、指定管理者制度を導入するという方針が出されたことから、指定管理者制度導入と図書館運営について聞きました。
地方自治法の改正に伴い、現在、自治体は、管理委託をしている「公の施設」について来年の9月1日までに、「指定管理者制度」に移行するか直営に戻すかの選択を迫られています。
「指定管理者制度」は、多様化する住民ニーズに、より効果的、効率的に対応するため、公の施設の管理に民間の力を活用しつつ、区民サービスの向上を図るとともに、経費の節減等を図ることを目的とするひとつの運営手段であると言われています。
つまりは、これまで、公務員がやってきたことを民間にしてもらうことによって、人件費を抑制すりとともに、硬直した運営手法からの脱却をはかろうというものです。
指定管理者導入の一つの目的であるコスト削減は、民へ移行すれば容易に達成できるかもしれませんが、大田区としての施設のあるべき姿や今後の運営方針無しに、募集要項に現行の事業内容を羅列しただけでは区民サービスの向上は図れません。
一般に、指定管理者制度は、民間活力の導入であり民間の競争原理のなかから良質なサービスが生まれると期待されていますが、図書館はクローズされた市場である場面が多く競争相手がなく、いわゆる民間の自由競争と同じ状況ではありません。売り上げ、或いは、収入(つまりは管理運営費)が確保されている。業務内容が協定書により限定されている。創意工夫や新たな取り組みが収入(管理運営費)増に直接つながりにくくインセンティブが働きにくいなど、状況が大きく異なります。指定管理者制度イコール民間活力の導入につながりにくいと言う側面をきちんと捕らえなくては、第二の公とも言える硬直した組織を作ってしまうことにもなりかねません。
また、全ての図書館に指定管理者制度を導入することになれば、中央館機能はどうするのか、16館の連携をどのようにはかっていくのか、学校・保育園・幼稚園・学童保育など区内各組織との連携は密に取れるのか。業者間のレベルの差はどのように埋め、高い水準に合わせていくためどうするのか。などなど指定管理者制度を導入することでの新たな管理業務が発生するわけで、そこをどのようにクリアしていくかということがこの指定管理者制度を成功させるか否かを大きく左右していくと考えます。
指定管理者制度導入にあたっての区長がこのような点についてどのように考えているのかたずねました。