質疑に際しての問題意識は、選任される人権擁護委員の個人的な適否ではなく、次の2点にあります。
①議会に求められているチェック機能を十分に果たしうる議案審議選任が行えるのか
②人権擁護委員と言う制度を大田区が十分に機能させているのか。形骸化していないか。
という2つの問題意識です。
前回の質疑とそれに対する区の答弁は次のようなものでした。
【質問①】
議案が当日送付されても、当日議決は難しい。なぜ事前送付できないか。
【答弁①】
従来からこのようにおこなっている。
【質問②】
新任・再任の判断は、人権擁護委員の活動実績や成果によるところが大きいが、評価やその基準が議会に示されていない。示してほしい。
【答弁②】
基準について、区は、総務省の定めた、「年齢」や「選挙権を有すること」、そして、「人格、見識が高く、社会の実情に通じ、人権擁護に理解ある者」などという一般的な条件については説明しましたが、選任、特に再任される委員の活動実績についてはなんら答弁がありませんでした。
【質問③】
新任・再任にあたっての評価基準や評価機関について示してほしい。
【答弁③】
「学校教育」あるいは「青少年育成」「男女平等」「法曹関係」「民生委員児童委員」「障害福祉」「精神保健福祉関係」「保護司」の中から選ぶ。
という極めてあいまいな基準が示されただけでした。
仮に、大田区が、区議会に示されている、年齢と選挙権の有無、そして、過去に携わってきた役職のみで人権擁護委員の適否を判断しているのであれば、人権擁護委員の制度そのものが形骸化していると言わざるを得ません。
当然、実際には、見識高く人格的にも優れた委員が、重要な役割を担っているはずです。
また、そうであっても、さまざまな人権に係る課題は山積しており、問題意識も持っていらっしゃるものと考えます。
本来、こうした活動実績や今後の人権擁護委員のありかたなどについて、示したうえで、選任は行われるべきではないでしょうか。
そこで、質問します。
◆質問①◆
議案の当日送付について、これまで行ってきたから、そのようにしていると答弁していますが人権擁護委員の議案を事前送付することは、制度上可能でしょうか。不可能であればその理由をおこたえください。
◆答弁①◆
当日送付は、制度上の問題ではなく大田区の判断。
◆質問②◆
人権擁護委員の活動は、今後ますます重要になってきます。人権擁護の意識を高め、大田区の人権問題を少しでも解決するためにも、選任のためには、活動内容や、実績を広くし示していくことが重要だと考えます。
今回、初めて、当日ではありますが、人権擁護委員の活動実績が示されたことは、前回の私の質疑による改善策として評価できるものですが、これも、当日ではなく、日ごろから、あるいは、もっと前もって広く人権擁護委員の活動内容や実績を報告していく必要があるのではないでしょうか。それが結果として、人権擁護の推進につながるのではないでしょうか。
さらなる改善はできないのでしょうか。
◆答弁②◆
人権擁護委員の活動を周知していく