使用されているアスベストは「ひる石」で、飛散性アスベストとして処理をすることが法律で定められています。
このことについては、本年3月に行われた第一回定例会において確認をし、飛散性スベストとして処理をするという答弁を得ました。
しかし、3月25日に行われた住民向け説明会に出席し、今後の処理方法を確認したところ、飛散の恐れのある方法を取る予定であることが明らかになりました。
そこで、担当部署との懇談会を重ね、適正な処理について検討を求めてきました。
結果、担当部署から、様々な方策を検討した結果、区営住宅のアスベスト対策についてより安全で法令を遵守する方法に変更するとの連絡があり、中皮腫・じん肺アスベストセンターの事務局長の永倉さんと共に、説明を受けました。
新たな方法は、アスベスト使用されている部分に触れずに飛散しないためにアスベスト使用部分を生活部分と分け、飛散しないよう密閉する「囲い込み」ができるよう工夫がなされています。
当初の作業に比べ、事前の室内計測や使用するシートの作成などに時間がかかるため、当初予定していた終了時期が先送りとなりましたが、実際の室内での作業は当初の方法と同じ1日であるとともに、何よりも重要な安全性が確保できる方法であるという点は評価できるものです。
区では、今後、変更後の作業についての説明会を予定していますが、住民の皆さんへの十分な情報提供などリスクコミュニケーションをとった上で、着実に「囲い込み」の作業が行われることが求められます。
今回行う「囲い込み」はあくまで仮の処置であり、解体時には、飛散性アスベストとして、除去しなければならないことは言うまでもありません。
また、この「囲い込み」の作業により発生する費用は、地域住宅交付金で担保されますが、費用の30%は大田区が負担しなければなりません。
残りの45%は国、25%は東京都の負担となります。
今回、大田区が「囲い込み」を行う区営住宅は、平成5年と8年に東京都から移管されたものです。
東京都は、瑕疵担保責任を問わない形で、区に住宅を移管していますが、それでは、東京都には全く責任は無いのでしょうか。
梅田小学校の土地の売買においても、東京都は、大田区に対して瑕疵担保責任を問わない形で、土地を売っています。
瑕疵担保責任を問わない契約に何らかの必要性が認められるならともかく、一方的に、責任を区に対して負わせる契約が自治体間で慣例的に行われているとするならば、対等な関係を守るためにも改めていかなければならない問題です。
東京都から移管され、ひる石(アスベスト)の使用されていることが判明した都営住宅の費用負担は、今後、23区として、東京都に求めていかなければなら無いと考えます。