「呑み川合流改善事業」リニアの大深度地下工事も進まないのに大丈夫?超長期間にわたりシールドマシンで地下貯留槽を掘る

呑み川合流改善事業の説明会が行われました。

呑み川下流部(呑み川とJRが交差するあたり)の臭気対策のための事業です。

雨が降ると、下水の一部が呑み川に流れ出て、悪臭の原因となっていると大田区は説明しています。

(文中使っているのは説明会で使われた大田区の資料です)

総延長およそ6キロメートルの円筒型の地下貯留管を造り、

そこに

【1】流域(631.37ha)の下水管内の特に汚れた汚水を、
【2】直径2.4m~3mの総延長6㎞の貯留管、貯留量38,000㎡(25mプール約100杯分)に貯めて、

呑み川に流れ出無いようにするのが、呑み川合流改善事業です。

 

 

 

 

下水管を流れる水を、地下貯留管に流し込むための取水マンホール(立て坑)を、赤ルートだけで2か所作ります。

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説明会に参加し、周辺にお住いの方たちの不安や事業の問題が見えてきました。

70~100mの大深度地下をシールドマシンで掘り進めるリニア中央新幹線事業は、外環道陥没事故の後、一向に進みません。

一方、地下20mを掘り進めるのがこの事業です。より地表への影響が心配されるうえ、工期も、長期にわたり、土砂の搬出入は、比較的幅の狭い同じ道路を、通過し続けることになります。

しかも、シールマシンを下すための立て坑を掘る事業と、この横穴の説明は、別々に行われていて、事業の全容が、きれぎれでみえません。

 

工事期間も長く、工事もリニアより生活環境に影響を及ぼす部分も大きいのに、環境アセスメントもありません。

それぞれ、わずか数回の説明会で始めていい事業でしょうか。

現時点で分かっていることについてご報告します。

 

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呑川合流改善貯留施設貯留管設置工事に関する工事説明会

 

 

リニアのトンネル工事は、外環道の陥没事故で安全確認のため、300m調査掘進することになりました。

ところが、安全確認のために、3年近くかけ、現時点(2024年8月8日)で、ようやく300mの半分、155m掘ったところです。安全確認さえ終わっていません。

 

地下深く70~100mを掘るリニアのシールドトンネル工事の安全について3年かけても、確認できないのに、

このシールドトンネル工事は、地下20mです。
管の大きさは、リニアと比べ小さいものの、それでも内径2.4~3mですから、思い描いている上下水道管とは規模が違います。

・より浅くて、より地表に近く
・地表に及ぼす影響も大きい可能性がある工事ですが、

たった1時間半の説明会だけで、掘り始めようとしています。

この事業では、3本(赤・緑・青)のルートに分けて工事がおこなわれます。
赤ルートと緑ルートは内径2.4m。青ルートは直径3mの巨大円筒管で、総延長6キロを超えます。

 

そこに汚水を貯めて、呑み川に流れ出無いようにします。

下水と貯留管をつなぐための取水マンホール(立て坑)を、赤ルートだけでも2か所作ります。

 

 

 

 

赤ルート=直径(内径)2.4m  総延長2㎞
緑ルート=直径(内径)2.4m  総延長0.85㎞
青ルート=直径(内径) 3m  総延長3.3㎞

 

 


図の真ん中あたりの黄色い東調布公園のプールの場所から掘りはじめ、シールドマシンをおろし、土砂を運びだすための立て坑を掘るのに、令和2年から令和7年3月までかかります。

そこから、赤、緑、青の各ルートの横穴を掘り始め、最初の2kmを掘り終わるのに、令和8年3月までかかります。

 

東調布公園の立て坑近くにお住まいの方たちは、赤ルート完了までで6年間。

その後、緑、青、すべてのルートが掘り終わるのは、掘り始めた令和2年から、早くて13年後の令和15年3月です。

 

令和15年3月に、残り2本すべてのルートを掘り終わる予定だと言われていますが、詳細な設計はこれからと書かれていますから、どうなるかわかりません。

 

実際、当初、令和4年3月末までにおわるはずだった、東調布公園の立て坑設置の工事は、
令和7年3月末終了予定と3年延びましたし

赤ルート(右岸蒸留ルート)も当初は令和8年3月末までのはずでしたが
先日の説明会では、令和9年度中までかかることになっています。

 

ただ、当初4年かけて2㎞の右岸上流ルートを掘るはずが、3年と工期が短くなっています。

技術が向上したのか、

土砂の取り込み量が増えれば、振動が大きくならないか、地盤へ影響を及ぼさないか、心配です。

 

 

説明会では、
→は大田区の回答
(メモなので正確でなかったらすみません。8月半ばごろに大田区がHPに記録を公表するそうです。)

・取水マンホールの近隣交通への影響
→個別に話を聞き対応
・交差するリニアとの関係
→事業者と協議済み 大丈夫
・14年間もやめてほしい

・ほかでやってほしい

・防音ハウス低くできないか
→最小限になるようにしてきた

・土砂搬出トラックの長期間にわたる振動や家屋等への影響

・トラックの児童館への影響

・呑み川の下に管をつくれないか
→河川の下は不可能
・舗装の凸凹を改善してほしい

・次の説明会はいつか
→緑ルートの時

・工事後プールはどうなるか
→わからない

などの声があがっていました。

 

 

 

91369f7b83a9ae6a41b79962bfdbbeb5.pdf (nasurie.com)