国家戦略特区を名付けてみた 【移民特区】福岡市 【カジノ特区】沖縄県 【最低賃金崩壊特区】養父市など
国家戦略特区の地域指定が行われた。
いずれの地域も、判を押したように、雇用、医療、外国人労働。
規制緩和は、一定方向に向かっている。
これらの規制緩和が行われれば、たとえば、都心部での再開発は、容積率の緩和により生み出された床面積で建築費を確保でき、周辺の道路など公共施設は税金で整備されるスキームであるだけでなく、調達した資金は、利子補給され、固定資産税、法人事業税、不動産取得税などの優遇策により、ほぼリスク0で事業展開できるため、相当の収益が見込めるはずだ。
また、医療分野も、医薬品、医療機器等の認可を早めるとともに、これまでの特許を組み合わせることで新薬の認可を取得しやすいようにするなど、次々新たな医薬品が市場に提供される仕組みを作ろうとしている。高額所得者を中心とした高額な医療提供のしくみをつくり、売上が伸びる。医薬品、医療機器メーカーの売り上げ増が予想される。
しかも、新たに設立される法人であれば、有期雇用契約の正規雇用の義務を逃れられるようにしようとしているから、非正規雇用や、外国人労働など人件費も削減できる。
だったら、起業しよう!と思うかもしれないが、これらを受けるには、東京都の場合、特定の多国籍企業で事業実施期間に資本を5億円以上増加させる見込みがあるなどのハードルを越えねばならず、大資本に有利な条件になっている。
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それぞれの地域の特徴から、私はこんな風に位置づけた。
【総花的ボリューム重視特区】 東京圏 関西圏
【農業特区】 新潟市
【移民特区】 福岡市
【カジノ特区】 沖縄県
【最低賃金崩壊特区】 養父市
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【総花的ボリューム重視特区】 東京圏 関西圏
*公設民営学校特区 関西圏
東京圏、関西圏の規制緩和は、総花的だ。日本の二大経済圏を抑えれば、その波及効果は限りなく大きい。今回、指定された他の地域が行うメニューも、ほぼすべて盛り込まれている。
一つ、関西で特徴的なのが、公設民営学校。橋本市長のカラーかもしれない。場合によっては、株式会社立学校も目指しているかも知れない。そうなると公教育丸投げ特区と言っても良いかもしれない。
投資を呼び込むための日本再興戦略に基づいた国家戦略特区なのだから、外資系企業の3/4がある東京都が、ありとあらゆる規制緩和の中心であることは間違いない。
◆予想される影響
雇用の更なる非正規化、低賃金化。医療費負担の増と医療保険料アップ。都心部の再開発等による税負担増、あるいは負担の先送りによる将来財政の悪化。にもかかわらず、法人関係の減税により社会保障等への財源の不足による社会保障の劣化。
東京・関西圏の主な規制緩和
・容積率緩和
・有期雇用契約の期間見直し
・移民 在留資格要件 入国審査要件緩和
・外国人医師 国医薬品・外国医療機器売上増
・混合診療拡大
・病床規制
ベッド数を増やし、高度医療、先進医療の提供増
・法人設立手続き迅速化
【農業特区】 新潟市
◆予想される影響
農地の集約化、株式会社化による農業の工業化。規制緩和により安価な外国食品が入るようになれば、付加価値の付いた食品以外は、縮小の可能性。集約された土地は、輸入食品の保管、加工工場等に転用の可能性。
原材料となる輸入食品の表示は機能表示変われば、消費者の入手したい情報が得られなくなる可能性も。
・農業委員会の権限を市に移譲し
・農業の株式会社化
・食品表示の緩和と*食品機能表示の創設
一部に認められていた食品の効果(「お腹の調子を整える」「コレステロールの吸収を抑えます」)を表す表示。政府はこれを広げようとしている。
【移民特区】 福岡市
◆予想される影響
雇用の更なる非正規化、低賃金化。医療費負担の増と医療保険料アップ。
・有期雇用契約の期間見直し
・移民 在留資格要件の緩和 入国審査要件緩和
・病床規制緩和
ベッド数を増やし、高度医療、先進医療の提供増
・外国人医師 外国医薬品、外国医療の売上増
【カジノ特区】 沖縄県
・移民 在留資格要件の緩和 入国審査要件の緩和
・カジノ
【最低賃金崩壊特区】 養父市
・農業委員会の権限を市に移譲
・高齢者の雇用
シルバー人材センターの規制を緩和し高齢者が長時間働けるように
シルバー人材センター派遣は最低賃金法にかからないので、高齢者は
最低賃金以下で働くように。最低賃金制度が維持できなくなる可能性。
・歴史的建築物の活用