品川区のごみの各戸収集

今年7月より、区内全域で各戸収集になった品川区の状況をうかがいに行ってきました。
 繁華街における店舗のごみだしのマナーが守られていないことへの対処として、平成13年9月から3ヶ月間2,700世帯を対象に一部地域でモデル事業として早朝各戸収集を行ったところ、結果としてカラスの被害の減少・美観の向上・ごみ減量などの効果が見られたうえ、区民からの継続して欲しいという要望も強かったため順次拡大し今回の区内全域各戸収集になっています。    

 ①分別意識の向上によるごみの減量・資源回収の推進。
 ②ごみの出し方・マナ−向上による美観対策、不法投棄の防止。
 ③高齢者・障害者など集積所へのごみ出しが困難な方への利便向上

等を目的として行っている各戸収集ですが、回収の手間に伴うコストの増大や、各戸収集の目的や収集方法の区民への周知は課題であると言えます。

 品川区では、各家庭へ訪問し丁寧な説明を行うことで区民への周知をはかりながら、2700世帯、6700世帯、36700世帯、68200世帯と段階的に拡大していくことで、収集ルートや職員配置・配車等の仕組みを構築していったそうです。

 約4年間をかけて区内全域各戸収集となりましたが、今後1年間で、収集の効率化・合理化による更なるコスト削減に取り組むそうです。

 実際に、集積所回収に比べ、1.5倍から2倍の回収の手間がかかると品川区ではみていますが、収集の効率化・合理化に加え、既存の事業を見直すことで全体の経費圧迫を抑制しています。

 大変だけれど、区民と直接触れあうことができ、やりがいを持って取り組んでいる職員の熱意と工夫で実現できた各戸収集であると感じました。

 また、昨今、各戸(戸別)収集導入の際に必ずと言っていいほど同時に採用されるのが有料化ですが、有料化にあたっての負担の公平性を考慮すれば、各戸収集は検討課題だが、各戸収集をすることイコール有料化と捕らえていない姿勢は、各戸収集の本来の目的と効果を検証する上で大切な姿勢であると考えます。