大田区の清掃車の事故が、民間収集車両よりも、他自治体よりも多いのはなぜ?

清掃車が事故を起こすと、事故の状況により、賠償金額が生じます。

 大田区が支払う車両事故に伴う賠償金は、その金額が100万円未満の場合は、決定後、速やかに支払われ、その後の直近の議会において報告と同時に自動的に承認されることになります。

 一方で、100万円以上の損害賠償金額の支払いが生じた事故場合には、賠償金は支払われますが、その後、議会において議決が必要になります。

 現在行われている第2回定例会において、損害賠償金支払のための議案が上程されているため、大田区における清掃車両の事故について、都市環境委員会において、担当課に説明を求めました。
 
 損害を被った区民への補償は区の当然の責務であり、これを支払うことについては、何ら問題がありませんが、清掃車の事故を未然に防ぐという防止、抑止の視点から大田区の清掃車両の事故状況を明らかしたものです。

 区の説明によれば、平成18年からの大田区の事故件数の推移は、18年6件、19年10件、20年9件となっていて特に19年以降事故件数が増えています。

 他の条件がどのようになっているのか詳細を確認していないため、単純な比較が可能であるのかわかりませんが、大田区の報告した数字をもとに民間事業者や他自治体と比較してみると・・・・

 例えば、同じく大田区のゴミを収集している民間事業者の事故件数は、台数が3倍程度あるにも関わらず1/2以下の18年3件、19年4件、20年4件となっていて事故発生率で考えれば6倍程度にもなる計算です。

 また、人口が大田区より10万人以上多い世田谷区でも事故件数は4件と1/2以下です。

 毎日決められたコースを走っている、道路状況や事情に熟知したいわば、ごみ収集の専門家が収集している作業現場で、同様の作業をしている民間事業者や、他自治体の事故件数と比較しても、明らかに悪い数字がでているという事実は、重く受け止めなければなりません。

 少なくとも、民間事業者や他自治体で可能なことは、当然大田区でも達成しうることであり、それができていないということは、努力不足と区民から指摘されてもしかたありません。

 区は、研修など事故防止体制を強化するとしていますが、乗務員の更なる意識啓発と目標をもった事故防止対策に取り組み無事故収集が達成されるようにしなければなりません。

 現在は、車両管理を行う多摩川清掃事業所と調布清掃事務所長が兼務となっていますが、事故防止対策が十分でない理由が、兼務にあると言われないよう十分な管理体制が必要です。


なかのひと