現在、下水汚泥の焼却灰は10万ベクレル/kgまで埋め立て処分場で埋め立て。一方のごみの焼却灰は8000ベクレル/kgまでは埋め立て、8000を超え10万ベクレル/kgまでの灰は埋め立て処分場に一時保管。とその扱いが異なっていました。
環境省が今日付けで8000ベクレル/kgを超える焼却灰についても埋め立てを容認すると公表しています。
大田区は、臨海部に廃棄物処理施設が集中しています。不法投棄が問題になり、東京都も産業廃棄物処理施設を大田区城南島にスーパーエコタウンと称して集中させてきました。
被災に関わりがれき類など廃棄物処理が課題になっています。
大田区はどのように関わって行くべきでしょうか。
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下水汚泥焼却とごみ焼却
下水汚泥の焼却灰やごみの焼却灰からは高濃度の放射能が測定されていますが、処理水、煙突の排気からは放射能は測定されず、敷地境界での測定結果も問題無いとされています。
しかし、これらの施設は放射能を含んだ物質を焼却するために作った施設ではなく、放射能対策もしていません。
ダイオキシンや重金属対策のためにつけているフィルターですが、ダイオキシン対策、重金属対策としても十分なのか疑問の持たれるなか、放射能に十分対応できるのか心配なところです。
しかも、放射能が測定されないとして安全性が強調されている測定も、例えば、下水汚泥の焼却プラントでの排気の測定方法の詳細について下水道局に確認したところ、測定方法が十分なものか、現在、専門家に確認している段階であると聞いています。問い合わせて一か月が過ぎますが、未だになんの返答もいただけていません。
安全の根拠となる測定方法について、きちんと説明できない現状は、十分安全であると安心できる状況に無いことを意味しています。
これは、清掃工場についても同様のことが言えるのではないでしょうか。
被災地の廃棄物
被災地の復興における廃棄物対策は、衛生面からも喫緊の課題と言えます。
最近になって国は廃棄物処理費用を全額を国負担とすると決めました。過大な負担を免れることができたことで、復興に拍車のかかることを期待します。
しかし、廃棄物処理における進捗状況が見えにくいのは何故でしょうか。
今回の震災に伴う廃棄物処理の3つの課題
①放射能
②アスベスト
③ダイオキシン(海水にぬれたので)
測定するなどして放射能の検出される廃棄物は混入しないとしていますが、過去に、建設廃棄物処理施設の都市計画決定の際に大田区にアスベスト建材の混入について指摘したところ混入しないと答弁しましたが、現在、全国でアスベストの混入した建設廃棄物から作られた再生砕石=砂利が大きな社会問題になっているのは周知のとおりです。
放射能やアスベストの廃棄物を混入させないようにすることは容易ではありません。
現在、想定しているのは津波による被害を受けた地域の廃棄物ですが、海水にぬれているため十分なダイオキシン対策を講じる必要があります。
今後はこうした安全対策について十分に確認しながら進めていくことが重要です。
しかし、23区の清掃工場を管理運営する東京23区清掃一部事務組合は、未だに大田区に対して、被災地の廃棄物受け入れとその処理に伴う安全策についてなんら情報提供が無いと大田区環境清掃部から聞いています。
一方で、これまで分別の後、破砕し焼却していた粗大ごみを、分別せず焼却する計画を一方的に伝えてきて、しかも、処理量が日量10トンから100トンに今後1年間増えるなど、被災地廃棄物処理を想定していると思わざるを得ない報告もあります。
他にも、都市計画決定されていながら、10年近く更地で放置されていた産業廃棄物処理地で地下埋設物の処理施設が稼働準備を始めるなど、被災地廃棄物処理を見据えているのでは無いかと思われる動きが有ります。
安全を優先すること、速やかな復興を支えることを優先した処理が必要です。被災地復興に借りた利権分配による汚染の拡散だけは避けなければなりません。