大田区平成21年度一般会計決算に大田ネット創立以来初めて反対しました。
 大田生活者ネットワークは、大田区に議員を出し活動して今年で20年になりまが、これまでの19回の決算の認定については、すべて賛成してきました。

 必ずしも、それぞれの年度について、すべての政策や手法をよしとしてきたわけではありません。それでも、賛成をしてきたのは、予算の執行が概ね適正であるという判断があったからです。
 
 反対をした理由を報告します。
 
 規律ある区政が執行されているかどうか

まずは、法令遵守。規律ある区政が執行されているかどうかという視点です。

平成20年第3回定例会の決算特別委員会で私が取り上げたテーマは、自治体に求められるコンプライアンス=法令順守でした。

議員と事業者があっせん収賄および贈賄で逮捕された足立区が事件発生に至る問題点として掲げた

1.基準や手続きの決定に裁量の余地が大きく透明性に欠ける。
2.組織としての法令遵守機能が働かない。
3.契約事務の手続きや基準に関する規定やその運用状況の客観的な点検・監視の仕組みが十分でない。

などの問題意識をもとに、大田区政にコンプライアンスをどのように定着させるかについて質問しました。

その際、例として取り上げたのは、大田体育館関連用地の購入でした。
残念ながら、当時、区が抱えていた問題点は、その後、一向に改善されることが無いばかりか、当時は曖昧だった法令遵守でしたが、明らかに法令の手続きを経ていない事項が見受けられるようになっています。

■体をなさない不動産鑑定書で土地を査定■

 一昨年指摘した大田体育館関連用地取得は、不動産鑑定書が非開示のため当時問題にしていましたが、裁判の過程で提出されました。
 取得したマンションが違反建築であったにもかかわらず、減額されていなかったり、通常は採用しない鑑定方法をとっているにもかかわらず、その理由について記されていないなど、鑑定書の体をなしていない部分が、明らかになっています。

■法的根拠の無い三セク「蒲田開発」に不動産を先行取得させる■

 また、今回の決算特別委員会でとりあげた、「蒲田開発事業(株)」の土地購入は、単なる第三セクターに大田区の土地を買わせたという問題ではありません。公有地拡大法にその根拠を置き、総務省と国土交通省が認可して設立。土地の「先行取得」を行わせている「土地開発公社」の権限を、なんら法的根拠無く、大田区が「蒲田開発」に与えているというところにその問題があります。
 はたして、そこまでしなくてはできない官主導のまちづくりが存在するでしょうか。また、そこまでリスクを負担して官主導のまちづくりを行うべきでしょうか。

 公平性、競争性が担保されているか

 二つ目は、公平性、競争性の問題です。

 自治体の首長は強大な権限を持ちますが、その権限を恣意的に行使してはなりません。当然のことながら、公平性が求められています。

■随意契約■
 松原区長は、法的効力の無い協定書を締結し、その協定書を根拠に「蒲田開発」と「随意契約」を行いましたが、はたしてそれが、随意契約の理由になりうるでしょうか。また、プロポーザルの選定過程や基準の曖昧さは、これまでも指摘されてきましたが、羽田国際化事業におけるプロポーザルは、開発観光特別委員会でも大きな問題になりました。

 ■進まない入札改革■
 一方で、松原区長はマニュフェストで入札制度改革に取り組むと言っていましたが、未だに状況は変わっていません。一般競争入札の効果をはかる尺度として予定価格に対する落札率がありますが95%を超えると「談合の疑いが濃厚」とされています。少し古い数字ですが、全国オンブズマン連絡会議の調査によると、長野県や宮城県の工事落札率は予定価格の75%で全国の91%よりかなり低いそうです。大田区で行われている入札の多くは95%以上で、99.5%という驚異的な数字もありますが、区は適正に行われていると答弁します。適正に行われているか否かは、談合防止策をとって初めて言える言葉であり、顔の見える関係の中で入札を行い98%、99%の落札率を繰り返し入札改革を一向に進めようとしない松原区長の姿勢には問題があります。

 

なかのひと