財政健全化法

 夕張市の財政破綻を行政のチェック機関である夕張市議会は、結果として事前に、自治体財政状況の悪化を防ぐことができませんでした。

 こうした、夕張市の財政破綻が後押しする形で、「財政健全化法」が成立しています。
 
 それでは、この財政健全化法施行によって、自治体の財政状況の悪化を予見し、早期健全化をはかることができるのでしょうか。

 「財政健全化法」が成立しました。
 この法律の施行により、自治体は、法律にある4つの指標(カッコ内はおおよその意味)
①実質赤字比率(一般会計の赤字の額)
②連結実質赤字比率(公営企業・特別会計などを含めた赤字の額)
③実質公債比率(一般会計が負担する借金の元本・利息の返済割合)
④将来負担比率(一般会計が将来負担する負債:地方債残・全職員に対する退職手当予定支給額など)
を公表することが義務付けられます。

 そして、これら①から④までの4つの指標のうち、ひとつでも基準を超えれば「財政健全化計画」を作らなければならなくなります。

 また、①〜③までのうちのひとつでも基準を超えれば「財政再生計画」を定めなければならず、この「財政再生計画」が総務大臣の同意を得ている場合でなければ、災害復旧事業などを除いて、地方債の起債ができなくなります。

 総務省では、7月上旬にこの4つの指標がどのくらいの水準になるのか、各自治体に試算をさせています。

 その水準によって、この秋にも、①から④の4つの指標=「健全化判断比率」と①から③の3つの指標=「再生判断比率」が公表される予定です。

 財政健全化法は、財政に問題のある自治体を早期に指定し健全化する法律ですが、一方で、総務省の公表した指標以下のの自治体は、総務省の監視下におかれ、起債の発行の制限を受けるなど、より、国の自治体へのしばりが大きくなる法律であるともいえます。

 財政健全化法は、「財政健全化計画」「財政再生計画」策定の公表や議会への報告と議決が定めされています。
 市民の監視を強めるとともに、これまでも予算・決算において行われていた議会の関与をより明確にし、自治体財政のチェック機能を高めている法律であるということができます。

 「財政健全化法」は、2008年度決算から適用されます。
 2008年度予算の査定がスタートしている頃ですが、これからの予算編成、そして、既に総務省には報告され一部の自治体では公表されている2006年度決算からの4つの指標の試算が大変重要になってきます。

 大田区においても、区の財政状況をわかりやすく市民に公表し、大田区が置かれている財政状況を市民と共有することが重要になります。