決算特別委員会より(その③)

西行政センターは、隣地企業の社屋建て替えに伴い、用地購入の申し入れがあり、区にとっても雪谷大塚という地域核のまちづくりに資することから合意に至ったと説明されています。

◆後付けの移転の理由◆

 しかし、その数年前に西センターに、改修や増築・補修など4億円近くもかけてきたことからも、区が、西センターを長期にわたり使用する予定であり移転売却する計画が全くなかったもので、まちづくりが後付けの理由であることが分かります。
 今回の質問の答弁の中に、まちなみ整備課の入っている「嶺町文化センター」の老朽化をあげていましたが、これも、当時は全く問題になっておらず、最近の検討課題を当時の課題とするなど、更に後付けの理由を加えています。

◆区に不利な条件での売却◆ 

 今回この建物を、区は、面積が大幅に狭い体育館隣地建物とほぼ同じ約1億円で売却しています。この1億円の根拠についても不透明です。委員会での、「居住用は高く評価されオフィス用は安く評価されます」という説明は、購入や売却に至った経緯を度外視していて、単なる、不動産売買契約でしかありません。まちづくりという目的で合意し売却することは決めましたが、単なる売却で良いのでしょうか。

 西行政センターは、移転のために、土地・設計に約10億円。建物に約10億円もかけています。移転のための経費も支出しなければなりません。住民からの購入依頼により、行政目的の無い建物にさえ、「住んでいるので」という理由で価格をつけて購入している一方で、依頼を受けて売却するため、移転しなければならない区が、単なる建物の評価だけで売却するのでよいのでしょうか。移転補償を含め、同程度の施設を購入できるだけの価格で売却されるべきではないでしょうか。

 一方で、この売却を区が決めたのは、地域核である雪谷大塚のまちづくりに資するという理由からでした。
 売却することで、雪谷大塚のまちはどのようにかわるのでしょう。

◆守られない合意書の内容◆ 

 合意書に記された「緑化」や「防音」、「道路の拡幅」は、どうなるのでしょう。
 開発指導要綱や都市計画法に基づき定められている義務の枠内に留っているのでは、区が売却の理由としていた「まちづくり」にはなりません。

 合意書に記された「敷地内や周辺の緑化」や「公開空地」・「騒音対策」についてどこまで実現できたのか雪谷大塚の地域がどのように変わるのか具体的に示すよう求めましたが、緑化についての答弁しかなく、他の事項について守られているとは示されませんでした。
 
 しかも、緑化についても、開発指導要綱に定められている基準よりわずか21.4㎡広いだけ。これは、樹木にすると3本に満たない広さです。
 
 区は、西行政センター移転と売却にあたり、合意書を示し、議会に同意を求めてきましたが、この合意書に基づき交渉してこなかったのでしょうか。
 
 合意書の内容が遵守されないのであれば、売却をする義務は大田区に生じないのではないでしょうか。
 
 北行政センターを大森駅前に移転しなかったことからも、また、区が行政センターを廃止する予定であることからも、行政センターを駅近くに移転し、3課を合築する意義も薄れています。

 区民にとって、この行政センター移転と売却はなんだったのでしょうか。
 
 
なかのひと