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■策定した文化振興プランと大田区外郭団体である文化振興協会の位置づけ

 この間、大田区は、大田区地域文化振興プランに、文化振興施策における役割として「区民、地域の文化団体、企業」と「大田区」に並んで、「文化振興協会」の役割を明記しました。

しかし、文化振興プランに記されている6つ役割のうち3つ

①文化拠点施設の運営

②収支記念館などの保全

③コンサート展示企画は、大田区施設の管理運営を通じ行っている事業で、指定管理者として施設の管理運営を指定されていることが前提の役割になっています。指定管理者指定ありきの役割は問題ではないでしょうか。

■文化振興協会の運営実態とその課題

公益財団法人大田区文化振興協会の財政状況を点検しても、大田区の施設管理に関わる収入がほとんどで、自主事業と言っても、大田区の施設において展開されていて、区主催の事業との区別もつきにくく、結果として、事業性・採算性といった経済的視点に欠けています。

 

 文化振興と経済性は必ずしも両立できないものですが、それでは、文化振興プランに記されている6つの役割のうち残りの

④区民の自主的な地域文化活動を積極的に支援助成すること

⑤地域の文化芸術の育成・発信により、地域文化活動の活性化を図ること

⑥区民・地域文化団体・企業・学校など多様な地域文化活動の担い手をコーディネートするための専門人材を育成・確保すること

などについて、どれほど取り組めているかといえば、ほとんど取り組めていないのが現状です。

 区の施設を使用できる、公的背景の強い立場を活用すれば、さまざまな文化振興に取り組めるはずであり、なぜ取り組めていないのか疑問です。

■ビル管理と公共施設設置目的である事業運営はだれが行うべきか

 そのうえ、前回の討論でも指摘しましたが、

大田文化の森は、ビル管理を文化振興協会が行うとともに、施設の運営は区民で組織する運営協議会が行っています。建物の管理、個別のビルメンテナンスはビル管理会社などに再委託しており、大事な事業運営はこの運営協議会が担っていると言っても過言ではありません。それでも文化振興協会に指定していることの意義が不明瞭で、公募するべきです。

これは、区民プラザ、区民ホール、文化の森に限らない、全ての指定管理者制度を採用している施設に言えることです。

■地域コミュニティー施設と区民協働の考え方〜施設設置目的達成と雇用の視点から〜

たとえば、施設管理はビルメンテナンス会社などの専門家が、最小の経費で最大の効果=安全で、快適で、長持ちする管理を行っていただければよくて、施設設置目的を達成するための機能は、文化の森の運営協議会のように、地域住民による公平・公正で透明性の確保された運営に任せるという考え方もあっていいのではないでしょうか。

 冒頭で申し上げました通り、指定管理者は必ずしも法人格を取得していなくてもなれると定められているのです。それこぞが、区民が主役の区政であり、住民自治の基本であると考えます。

 そうした視点でいえば、今回の洗足区民センターなどは、極めて地域性の高い施設であり、コミュニティー醸成に区外の株式会社を関与させることに意義がどれほどあるでしょうか。

 区民の税金を原資とした運営費が区外に流出するより、地域住民が地域コミュニティー構築のために働いた分、地域住民に還元することに価値を見出すべきです。

 

このことは、今回の、洗足区民センターに限らない、大田区すべての事業における外部化の際のひとつの考え方として、事業それぞれに求められている内容やスキルは異なるものの、検討項目の一つとして認識すべきです。

似たような施設であるにも関わらず、その、手法が大きく異なる「こらぼ」「文化の森」「えせな」が良い事例です。

ビル管理は誰が行うか。施設目的は誰が行うか。そして、その費用・報酬を、区政にどう位置づけるかという問題を整理せず、整合性のないまま行われている現状は問題です。

文化振興協会の検討も行われず、文化振興協会への指定はあり得ません。また、指定管理者制度検討委員会において、洗足区民センターについての検討がなされたにも関わらず、地域コミュニティー施設が安易に民間株式会社に指定管理されてしまうことにも問題があり、いずれも反対しました。