専門業者の不足と資格講習

 これまでも、再三申し上げてきましたが、工作物の除去に伴って生じた破片などのレベル3のアスベスト(成形板=アスベスト含有建材)は、建設リサイクル法にのっとり中間処理施設に持ち込んでしまうと、破砕してしまうため飛散の恐れがありますし、そこから再生品を作れば、アスベストが含有していない建材として流通してしまうことになります。
しかし、テキストには、「工作物の除去に伴って生じた破片などのレベル3のアスベスト(成形板=アスベスト含有建材)は、建設廃材(瓦礫類)として処分できる」と記載してあり、この記載では、建設リサイクル法の中間処理施設に持ち込まれかねません。

また、建築物の解体や改修時にアスベストの有無を調査し、その結果に基づいて適正に処理すればよいのですが、ピーク時の使用量から考えれば、多くの建材に使用されていると考えられるにもかかわらず、現場での手作業や分別廃棄がどの程度守られているのかは大きな疑問です。

 大田区は、海側に多く建設廃棄物処理施設を抱えています。
 東京都のスーパーエコタウン事業の都市計画決定の際に、アスベスト含有建材の混入の恐れの指摘をしましたが、区は混入しないと答え、既にリサイクル施設は稼動しています。省庁の法令が、現場のアスベスト対策に不十分な現状のなかで、今、大田区として対処できる方策は何なのかが問われています。

 建設リサイクル法の定めに基づき大田区への解体を届出る際に、石綿障害予防規則上義務付けられているアスベストの有無の調査の結果を添付させることや、解体に際し、アスベスト対策を十分とらせるために補助金をつけ解体業者や施主にインセンティブを働かせることなども有効な方策であると考えます。

 講義の中でみた、大工や電気工、配管工、空調・保温工、瓦工などのアスベスト被害者やアスベスト患者を診ている医師などの声を集めた15分間のビデオは、誰もがアスベストの被害者になりうることを訴える衝撃的なものでした。
 
 これまで使用されたアスベストの9割以上が、建材として私たちの身のまわりに存在しています。アスベストを大量に使い作業する工場などの現場だけでなく、まちの中の解体現場やリフォーム現場でも吸い込んでしまう可能性のあることを念頭にアスベスト対策に取り組んでいかなければなりません。