予算特別委員会総括質疑より

 平成20年度の呑川の予算は、ごみの処理や河川改修費用が約7千3百万円が大部分をしめています。
 水質浄化・改善・悪臭防止対策として行っているのは、浮かべた船から水の中に空気を送り込む「バッ気装置」と「水質浄化剤」散布。合わせて約1千5百万です。
 
◆バッ気 
 専門家である東京工業大学の浦瀬先生に呑川の状況データをお見せしたうえで、バッ気の効果についてうかがったところ、効果がないと考えられるとお答えになっています。
 その理由を次のように説明されています。
 JR蒲田駅付近は、海水と淡水の交じり合う地域のため、上部の塩水を含まない軽い淡水層は必ずしも酸素が不足していないので、川の表面の部分に酸素を供給しても効果がないのだそうです。

 また、潮の干満によって表面の塩分濃度が高く酸素が少なくなっている時間帯にバッ気をするとかえって水中の硫化水素を空気中に追い出し硫化水素の悪臭をふりまくことになるそうです。

◆水質浄化剤
 同様に、昨年散布した水質浄化剤の調査結果をおみせしたところ、一時的な効果があったとしても長期的な効果は期待できないと分析していただいています。
 
 また、大田区も、昨年に引き続き、効果が見られなかったという報告書を作成し、今回の予算特別委員会において、他の議員の質問に対する答弁でも、効果が見られないと答弁しています。

 過去に、区は、カキの殻に水質浄化作用があることから、カキ殻を散布してはどうかという質問に対し、流れてしまうため、長期的な効果が期待できないと答弁し、採用していません。

 区も専門家も効果が見られないとしているうえに、カキ殻を散布しても流れてしまうといっているにもかかわらず、900万円もの予算を計上し、薬剤散布することは、矛盾しているのではないでしょうか。

 
 底に沈んでいる汚濁成分を除去するため、雨天明けの干潮時にフラッシュ放流して堆積物を掃いてしまうことも考えられるかもしれないと浦瀬先生はおっしゃっています。
 しかし、現実には、毎年500㎥の泥を機械的に浚渫(しゅんせつ=底の土をさらうこと)しているため、周辺の川床が掘られてしまい、下流域より深くなってしまっていて、この川床の形状により、汚濁物質を滞留させる結果を招いています。

 現在の単なる浚渫(しゅんせつ)は、かえって悪臭を招く結果になり、無駄な費用を投じていることになります。早急に浚渫(しゅんせつ)の方法を改めるとともに、深くなってしまったJR蒲田付近の川床の形質を改善する必要があると思います。勿論、コンクリートで固めることなく、自然な形で行われるべきことは言うまでもありません。

 効果を期待できない浄化対策費にお金をかけるのではなく、下水道になってしまった呑川を自然の流れにもどすために、何をすべきなのか。
 これを市民と専門家の参加する協議会を立ち上げ、区と都とともに、一体となって改善策を執行していくことこそが、もっとも重要なことであり、浄化の対策につながっていくでしょう。


なかのひと