呑川の水質浄化と河川管理について(その②)

予算特別委員会総括質疑

 「呑川の水質浄化と河川管理について」議場で質問した動画はこちから観られます

質問の元になっている原稿はこちらから読めます

◆質問④
 たとえば、小金井市では、新築・増改築の際市下水道課との協議において、雨水浸透ます設置の協力が求められるため、ほぼ全ての新築建物で雨水浸透ますの設置が行われています。

 新築時にの雨水浸透ますの設置を下水道局と連携して建築主に対し指導する仕組みを作ってはいかがでしょうか。

◆質問⑤
 久が原の八幡橋(はちまんばし)付近の、現在、鋼矢板(こうやいた)で護岸している部分の補強工事は、鋼矢板を補強するために護岸および川床をコンクリート張りにする方法を採用しようとしています。

 平成18年の第四回定例会においてまちづくり推進部長は、「JR蒲田駅付近の呑川の川床をコンクリートで固めてしまってはどうか」という質問に対し、「自然の浄化作用を活性化する効果があるので、できるだけ自然の川床を保全していきたい」と答弁しています。
 
 八幡橋付近の改修工事、さらにいずれ近いうちに実施される新幹線横断地点から下流側の未改修区間の改修工事は、三面護岸のコンクリート張りにするのではなく、そこに、地元住民の要望である生物の生息を念頭にした、自然に近い形での河川改修ができるよう地元自治体として東京都に対して申し入れていただけないでしょうか。
 
◆質問⑥
 区が、呑川の持つ自然の浄化作用を促そうとしているにもかかわらず、東京都が三面護岸張りの工事を採用しようとしてしまう理由のひとつには、都が地元自治体の要望を聞くことなく、河川の整備を行ってしまっていたという問題があるでしょう。
 大田区では、1月末から東京都との協議の場である「呑川対策研究会」を立ち上げましたので、是非これを活用していただきたいと思います。

 そして、もうひとつ重要なことは、地域住民である大田区民の意見を反映できるしくみが無かったことにあるのではないでしょうか。
 
 呑川を地域に親しまれる川として、また、大田区の核となる地域資源としてどのようにしていくのかを区民・専門家・行政などが協働で進める場として「協議会」を作ってはいかがでしょうか。

◆質問⑦ 
 底に沈んでいる汚濁成分を除去するため、雨天明けの干潮時にフラッシュ放流して堆積物を掃いてしまうことも考えられるかもしれないと浦瀬先生はおっしゃっています。
 しかし、現実には、毎年500㎥の泥を機械的に浚渫しているため、周辺の川床が掘られてしまい、下流域より深くなってしまっていてこの川床の形状により、汚濁物質を滞留させる結果を招いています。

 現在の単なる浚渫は、かえって悪臭を招く結果になり、無駄な費用を投じていることになります。早急に浚渫の方法を改めるとともに、深くなってしまったJR蒲田付近の川床の形質を改善する必要があると思います。勿論、コンクリートで固めることなく、自然な形で行われるべきことは言うまでもありません。

 これらの、効果的とは言えない事業に税金を投入するのではなく、きちんとした調査・データ・根拠の下に呑川対策は進められるべきです。調査は、今年度の予算に入っていますが、信頼できる調査研究所やコンサルタントへの調査を委託すること。そして、その調査結果をもとに、先ほど提案した区民参加の協議会の中でも十分に検討できるしくみを作ることが重要です。


なかのひと
  

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